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柳眉
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りゅうび
ふりがな文庫
“
柳眉
(
りゅうび
)” の例文
はね起きると、またすぐに、胸の辺りをドンと突かれたが、お綱は、うしろへよろけながら、きッと、
柳眉
(
りゅうび
)
を
逆
(
さか
)
だてて
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文三は恐ろしい
顔色
(
がんしょく
)
をしてお勢の
柳眉
(
りゅうび
)
を
顰
(
ひそ
)
めた
嬌面
(
かお
)
を
疾視付
(
にらみつ
)
けたが、恋は
曲物
(
くせもの
)
、こう疾視付けた時でも
尚
(
な
)
お「美は美だ」と思わない訳にはいかなかッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ちょうど昔しの愚かな大名の美しい思いものが、
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立て、わがままを言い募る時の険しい美しさで。庸三はこれには手向かうことができなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかも、両人ともに
柳眉
(
りゅうび
)
をさかだてんばかりにしながらかん高い声をあげると、異口同音にわめきたてました。
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
あるいは若菜売る児に対して、
柳眉
(
りゅうび
)
といひたる者にも候ふべけれど、さやうなシヤレのない方がかへつて趣深く聞え申候。尋常に柳が緑になると申したく候。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
柳眉
(
りゅうび
)
をキリキリと釣り上げて、『騒々しいねえ』と
嬌瞋
(
きょうしん
)
をいただくわけのものでもなし、人間は至極柔和に出来ていらっしゃるに、無類のお話好きとおいでなさる。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
喬之助妻園絵と交換にそれを
承諾
(
しょうだく
)
していたが、これを立ち聞きしたのが、造酒の妻とも妾ともつかない
芸妓上
(
げいしゃあが
)
りの市松お六で、思わず
柳眉
(
りゅうび
)
を
逆立
(
さかだ
)
てているところへ
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
柳眉
(
りゅうび
)
は引き釣り、紅唇はゆがんで、生え際の毛が、ざわざわと逆立つようにさえおもわれるのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いよいよ
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立てた夫人は夫の留守にそっと彼の生家へ立ち寄って、母なる人に懇請し、かれのいわゆる「あのおいしいプディング」なるものを拵えてもらって
字で書いた漫画
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「浮気」彼女は
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立てていう。「
笑談
(
じょうだん
)
じゃないわ。あんなところに、お勤めしていても、あたしだけは真面目で通したのよ。だから、日に四百円ぐらいしか、平均の収入なかったのよ」
野狐
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「
酷
(
ひど
)
いこと!」と
柳眉
(
りゅうび
)
逆立
(
さかだ
)
ち、
心
(
こころ
)
激
(
げき
)
して
団扇
(
うちわ
)
に及ばず、
袂
(
たもと
)
の
尖
(
さき
)
で、向うへ払ふと、怪しい虫の消えた
後
(
あと
)
を、姉は
袖口
(
そでくち
)
で
噛
(
か
)
んで
拭
(
ふ
)
いて
遣
(
や
)
りながら、同じ針箱の引出から、二つ折、
笹色
(
ささいろ
)
の
紅
(
べに
)
の
板
(
いた
)
。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
天女は飛びのき、凜として、
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立てて、直立した。
紫大納言
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
柳眉
(
りゅうび
)
を立て、
紅
(
くれない
)
の
眦
(
まなじり
)
をあげて、夫人はその細腰に帯している小剣の
柄
(
つか
)
に手をかけた。徐盛、丁奉はふるえ上がって
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身悶
(
みもだ
)
えして帯を解棄て、毛を
掻挘
(
かきむし
)
り
髷
(
まげ
)
を
毀
(
こわ
)
せば、
鼈甲
(
べっこう
)
の
櫛
(
くし
)
、
黄金笄
(
きんこうがい
)
、畳に散りて乱るる
態
(
すがた
)
、蹴出す
白脛
(
しろはぎ
)
裳
(
もすそ
)
に
絡
(
から
)
み、横に
僵
(
たお
)
れて、「ええ、悔しい!」
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立て、星眼血走り、我と
我
(
わが
)
手に喰附けば
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
菊路の美しい
柳眉
(
りゅうび
)
は知らぬまに逆立ちしました。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
アタピン女史、
柳眉
(
りゅうび
)
を逆だてて
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「女はみんな、初めは
柳眉
(
りゅうび
)
を逆だてて、そういうが、ひとたび、ほかの男を知ってごらんなさい。わが身のうちに
潜
(
ひそ
)
んでいた泉の甘美に驚きますから」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女房
柳眉
(
りゅうび
)
を逆立てて
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
柳眉
(
りゅうび
)
星眼
火燄
(
かえん
)
の唇。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、いちばい、憎さも憎しと
柳眉
(
りゅうび
)
を立てて、
綾
(
あや
)
なす二刀の秘術をきわめ、魔術とも見えるその
迅
(
はや
)
い光の輪のうちに、
発止
(
はっし
)
と、相手の槍を見事、巻き取ッて
搦
(
から
)
め落していた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柳眉
(
りゅうび
)
剣簪
(
けんさん
)
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“柳眉”の意味
《名詞》
柳の葉のような細いまゆ。美人のまゆ。蛾眉。
(出典:Wiktionary)
柳
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
眉
常用漢字
中学
部首:⽬
9画
“柳眉”で始まる語句
柳眉玉頬