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朦乎
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ぼんやり
ふりがな文庫
“
朦乎
(
ぼんやり
)” の例文
歌に
伴
(
つ
)
れて障子の影法師が踊る。妙な手付をして、腰を振り、足を動かす。或は大きく
朦乎
(
ぼんやり
)
と映り、或は小く
分明
(
はつきり
)
と映る。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
例
(
れい
)
のビール
樽
(
だる
)
船長
(
せんちやう
)
は
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
の
頭上
(
づじやう
)
に
當
(
あた
)
る
船橋
(
せんけう
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて、
頻
(
しき
)
りに
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
の
方向
(
ほうかう
)
を
見詰
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
つたが、
先刻
(
せんこく
)
遙
(
はる
)
か/\の
海上
(
かいじやう
)
に
朦乎
(
ぼんやり
)
と
三個
(
さんこ
)
の
燈光
(
ともしび
)
を
認
(
みと
)
めた
間
(
あひだ
)
こそ、
途方
(
とほう
)
も
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つて
居
(
を
)
つたものゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其麽
(
そんな
)
事は無い! と否み乍らも、何がなしに、若しや、若しや、といふ
朦乎
(
ぼんやり
)
した期待が、その通り路を去らしめなかつた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
後檣縱帆架
(
ガーフ
)
に
飜
(
ひるがへ
)
る
旗
(
はた
)
は、まだ
朦乎
(
ぼんやり
)
として、
何國
(
いづこ
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
とも
分
(
わか
)
らぬが、
今
(
いま
)
や、
團々
(
だん/\
)
たる
黒煙
(
こくゑん
)
を
吐
(
は
)
きつゝ、
波
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
飛揚
(
ひやう
)
せる
方角
(
ほうがく
)
へ
進航
(
しんかう
)
して
來
(
く
)
るのであつた。
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
は
急
(
きふ
)
に
一策
(
いつさく
)
を
案
(
あん
)
じた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其麽
(
そんな
)
事は無い! と
否
(
いな
)
み乍らも、何がなしに、若しや、若しや、といふ
朦乎
(
ぼんやり
)
した
期待
(
のぞみ
)
が、その
通路
(
とほりみち
)
を去らしめなかつた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
三日、四日と少しは慣れたものの、腹に一物も無くなつては、「考へて見れば
目的
(
めあて
)
の無い旅だ!」と言つた様な、
朦乎
(
ぼんやり
)
した
悲哀
(
かなしみ
)
が、
粘々
(
ねばねば
)
した唾と共に湧いた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
三日、四日と少しは慣れたものゝ、腹に一物も無くなつては、「考へて見れば目的の無い旅だ!」と言つたやうな、
朦乎
(
ぼんやり
)
した悲哀が、
粘々
(
ねば/\
)
した唾と共に湧いた。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
或は大きく
朦乎
(
ぼんやり
)
と映り、或は小く
分明
(
はつきり
)
と映る。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
朦
漢検1級
部首:⽉
17画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“朦”で始まる語句
朦朧
朦々
朦
朦然
朦気
朦昧
朦朧体
朦〻
朦朦
朦霧