トップ
>
旗差物
>
はたさしもの
ふりがな文庫
“
旗差物
(
はたさしもの
)” の例文
羅紗
(
らしゃ
)
ズボンだの、陣羽織だの、
足軽笠
(
あしがるがさ
)
だの、そして、
荷駄
(
にだ
)
や馬の首の流れて行く行列の上に、銃と槍と、
旗差物
(
はたさしもの
)
が、
燦々
(
きらきら
)
していた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして、この一行は事実上の鳴物入り、それに加うるに
夥
(
おびただ
)
しい
旗差物
(
はたさしもの
)
で、まもなく関ヶ原の本場へ着いてしまいました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
面部から咽喉にかけての所は、
咽輪
(
のどわ
)
と
黒漆
(
くろぬり
)
の猛悪な相をした
面当
(
めんぼう
)
で隠されてあった。そして、背には、軍配
日月
(
じつげつ
)
の中央に
南無日輪摩利支天
(
なむにちりんまりしてん
)
と
認
(
したた
)
めた
母衣
(
ほろ
)
を負い、その脇に竜虎の
旗差物
(
はたさしもの
)
が挾んであった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
旗差物
(
はたさしもの
)
を
旭
(
あさひ
)
に輝やかしつつ南下して行くのを発見した。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
革
(
かわ
)
、
草摺
(
くさず
)
り、
旗差物
(
はたさしもの
)
、
幕
(
まく
)
の
裁縫
(
さいほう
)
、
鎧下着
(
よろいしたぎ
)
、あるいはこまかいつづれ
錦
(
にしき
)
、そのほか
武人
(
ぶじん
)
の
衣裳
(
いしょう
)
につく物や、
陣具
(
じんぐ
)
の
類
(
るい
)
をつくるものばかりが
棲
(
す
)
み、そして
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
まもなく、ここへ現われて来たのは、珍しく両刀を帯びた
検見衆
(
けんみしゅう
)
らしいのが二人、
間竿
(
けんざお
)
を
旗差物
(
はたさしもの
)
のように押立てさせた従者と、人夫と、都合七八人の一行でありました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なぜならば、安中城の城壁のうえに見える
旗差物
(
はたさしもの
)
は、すべて、北条勢と、武田勢のものであった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旗差物
(
はたさしもの
)
へ書いて、鎌倉へ登ろうと
幾度
(
いくたび
)
かいっていた、その度ごとに、汝を初め、老臣どもが、とやかく申して
遮
(
さえぎ
)
ったために、
千載
(
せんざい
)
の機を逸して、いつまでも高綱の胸中に
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「てまえは、その
戦道具
(
いくさどうぐ
)
の、
旗差物
(
はたさしもの
)
とか、
具足
(
ぐそく
)
など納めていますが、昔ほど儲かりませんて」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蜂須賀
(
はちすか
)
彦右衛門殿の陣、福島正則殿の陣、浮田秀家殿の陣、黒田官兵衛殿の陣——そのほか
旗差物
(
はたさしもの
)
のひらめく所、野といわず、山といわず、畑、林といわず、到る所から一斉に
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これはずっと後のことで余談にわたるが、
強右衛門
(
すねえもん
)
の壮烈な最期を目撃していた落合左平治などは、その折の図を自分の
旗差物
(
はたさしもの
)
に描かせて、子孫にまで伝えたということだった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰の目にも、すぐとまったのは、その若い武者の
翳
(
かざ
)
している
旗差物
(
はたさしもの
)
の梅鉢の紋であった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
知れたことだ!
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
は
留守
(
るす
)
、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
もでていったこの
砦
(
とりで
)
は、もう
空巣同然
(
あきすどうぜん
)
、
入
(
い
)
れ
代
(
かわ
)
ってきょうからは、
大久保石見守
(
おおくぼいわみのかみ
)
さまが
下
(
さが
)
り
藤
(
ふじ
)
の
旗差物
(
はたさしもの
)
と立てかわり、
家康公
(
いえやすこう
)
のご
支配
(
しはい
)
となる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま彼女たちが
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
でつくっている、
具足
(
ぐそく
)
や
幕
(
まく
)
や
旗差物
(
はたさしもの
)
や、あるいは
革足袋
(
かわたび
)
、
太刀金具
(
たちかなぐ
)
、
刺繍
(
ししゅう
)
、
染物
(
そめもの
)
などの
陣用具
(
じんようぐ
)
は、すべてそれ
小太郎山
(
こたろうざん
)
のとりでへ
贈
(
おく
)
るべきうつくしい
奉仕
(
ほうし
)
だった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼方の黄色い
埃
(
ほこり
)
の中に、軍馬や
旗差物
(
はたさしもの
)
がもう近く見えていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
旗差物
(
はたさしもの
)
の
桿
(
さお
)
の良否を試しとうござるが——」
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旗差物
(
はたさしもの
)
を見て、又八が
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旗
常用漢字
小4
部首:⽅
14画
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“旗”で始まる語句
旗
旗幟
旗下
旗亭
旗本
旗竿
旗鼓
旗頭
旗色
旗艦