ほり)” の例文
旧冬きうとうより降積ふりつもりたる雪家のむねよりも高く、春になりても家内薄暗うすくらきゆゑ、高窓たかまどうづめたる雪をほりのけてあかりをとること前にもいへるが如し。
拔手ぬきても見ずつかとほれと突立れば哀むべし天一は其儘そのまゝ其處へ倒れ伏ぬ天忠は仕遂しすましたりと法衣を脱捨ぬぎすてすそをからげ萬毒ばんどくの木の根をほりて天一が死骸しがい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御自身に鋤鍬を取っておほりなさいませ。
うむを見て男魚をなおのれ白䱊しらこ弾着ひりつけすぐ女魚めな男魚をなほりのけたる沙石しやせきを左右より尾鰭をひれにてすくひかけてうづむ。一つぶながさるゝ事をせず。
受取て親父樣無事でと打分れ江戸の方へぞ急ぎける斯て九郎兵衞は二人のくびを切落し傍邊かたへに小高きをかの有しかば小松こまつの根をほりうづめ又死骸の傍邊へは彼盜し紙入かみいれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旧冬きうとうより降積ふりつもりたる雪家のむねよりも高く、春になりても家内薄暗うすくらきゆゑ、高窓たかまどうづめたる雪をほりのけてあかりをとること前にもいへるが如し。
少しはなれしをか小松こまつの根がたを犬のほりし跡よりあらはれ出たるが其者は藤枝宿ふぢえだじゆく馬丁うまかた松五郎と申者の由是亦同村の者ども申立たり然すれば九郎兵衞親子おやこ奸計かんけいにて右の死骸しがいへ惣内夫婦の衣類いるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雪吹にあひたる時は雪をほり身を其内にうづむれば雪暫時ざんじにつもり、雪中はかへつてあたゝかなる気味きみありてかつ気息いきもらし死をまぬがるゝ事あり。
先年蒲原郡の内或家あるいへにて井をほりしに、其夜医師いし来りて井を掘し㕝をきゝ、家にかへる時挑灯てうちんを井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに
蒲原郡五泉のざい一里ばかりに下新田しもしんでんといふ村あり。或年此村の者ども㕝ありて阿加川のきしほりしに、土中どちゆうより長さ三間ばかりの船を掘いだせり。