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慧眼
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けいがん
ふりがな文庫
“
慧眼
(
けいがん
)” の例文
「お前様ほどの
慧眼
(
けいがん
)
にも、分らないことがござるかな?」「不可解の点が四つござる」「四つ? さようかな、お聞かせくだされ」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
じっと考えていたが、まことにこの
慧眼
(
けいがん
)
、この断定こそは、われらが捕物名人むっつり右門にのみ許されるすばらしい眼のさえでした。
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
平次の
慧眼
(
けいがん
)
に見破られ、とうとう一味十人
悉
(
ことごと
)
く生捕られ、すぐさま手配をされて、大坂、長崎に居る仲間まで一掃されてしまいました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かれらが洞にはいって、防備の
厳重
(
げんじゅう
)
なのを見て、おどろきの色をあらわしたのを、
慧眼
(
けいがん
)
なゴルドンと、富士男は見のがさなかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
コゼット
誘拐
(
ゆうかい
)
に関する苦情は、その第一の結果として、自分一身と自分の多くの後ろ暗い仕事の上に法官の
慧眼
(
けいがん
)
を向けさせることになるだろう。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
そうして遠いロシアの新映画の先頭に立つ豪傑の
慧眼
(
けいがん
)
によって掘り出され利用されて行くのを指をくわえて
茫然
(
ぼうぜん
)
としていなければならないのである。
映画雑感(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
腰のまがった小さい巡査が、両手をうしろに組んで街道のまんなかをぶらりぶらり、風に吹かれて歩いていた。私は二階堂への
路順
(
みちじゅん
)
をたずねた。私は
慧眼
(
けいがん
)
。
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
慧眼
(
けいがん
)
のものが早くそれを見破ろうとする前に縦横からあらゆる角度の屈折光線がその作意をフォーカスする。
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その患者が、まもなくこうして急死を遂げたのだから、ビリング医師は内心不思議に思いながらも、外面はいくらか自分の職業的
慧眼
(
けいがん
)
を誇るようにさえ見える。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
さすがに司馬懿は
慧眼
(
けいがん
)
であった。彼がこの言をなしてから日ならずして、孔明の軍は果然移動を開始した。しかも選んだ地は、武功でなくて、五丈原であった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爰
(
ここ
)
に驚くべきは我日本国民の資質
剛毅
(
ごうき
)
にして頑ならず、常にその固有の気力を保つと同時に、
慧眼
(
けいがん
)
能
(
よ
)
く利害の在る所を察して、王政の一新と共に民心も
亦
(
また
)
一新し
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
エビルの
慧眼
(
けいがん
)
が夫の顔色の変化を認めない訳がない。彼女は直ちに其の原因を突きとめた。一夜、徹底的に夫を
糺弾
(
きゅうだん
)
した後、翌朝、男子組合のア・バイに向って出掛けた。
南島譚:02 夫婦
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
あんたの
慧眼
(
けいがん
)
に感服してるんです。あの人物についてなら私が太鼓判を押しますよ。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
三五 人を
籠絡
(
ろうらく
)
して陰に事を謀る者は、好し其事を成し得る共、
慧眼
(
けいがん
)
より之を見れば、醜状著るしきぞ。人に推すに公平至誠を以てせよ。公平ならざれば英雄の心は決して
攬
(
と
)
られぬもの也。
遺訓
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
殊にお蝶には両親という味方があって、ゆくゆくは吉之助を婿にしようかという意向のあることを、
慧眼
(
けいがん
)
のお筆は早くも覚ったらしい。それを防ぐには何とかしてお蝶を遠ざけてしまう必要がある。
有喜世新聞の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
慧眼
(
けいがん
)
の士のみ
夙
(
つと
)
にこれを知っておる。(『玉藻』、二九、二)
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「すぐに僕と目星をつけたところは案外
慧眼
(
けいがん
)
だね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
老爺を土手に置いて、屋根の上を見張らせたのは実に
慧眼
(
けいがん
)
ですが、せっかく姿を見た曲者を逃がしてしまっては何にもなりません。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
不審なその訴状を見ては、いかな名人右門もはたと当惑するだろうと思われたのに、いつもながらじつにおそるべき
慧眼
(
けいがん
)
でした。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
この「女の決闘」という小品の描写に、時々はッと思うほどの、憎々しいくらいの容赦なき箇所の在ることは、
慧眼
(
けいがん
)
の読者は、既にお気づきのことと思います。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自己にとって、将来の
大障害
(
だいしょうがい
)
をなす人間は彼なりと、秀吉の
慧眼
(
けいがん
)
は、もう次の歴史を見とおしている。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酔っ払っていたボシュエは、食を断って専念するハンニバルにも劣らぬ
慧眼
(
けいがん
)
を有していたわけである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
はたしてそれが図にあたって、
慧眼
(
けいがん
)
無比の貝十郎から、今日まで
在所
(
ありか
)
を見あらわされなかった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と佳子さんは
慧眼
(
けいがん
)
を誇った。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
四年この方、江戸中を騷がせた『火の呪ひ』を、人間のせゐと見破つたガラツ八の
慧眼
(
けいがん
)
は、この男にしては近頃の大手柄だつたのでせう。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ひざまずいたまま
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らして名人は、ややしばし老直訴人の姿をじいっとうち見守っていたかと見えたが、さすがは
慧眼
(
けいがん
)
無双
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
誰々は、このような言葉でもってほめて呉れる。誰々は、判らぬながらも、この辺の一箇所をぽつんと突いて、おのれの
慧眼
(
けいがん
)
を誇る。けれども、おれならば、こう言う。
猿面冠者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
如
(
し
)
かず、これまで斬り取った地を一時曹操に返し、
和睦
(
わぼく
)
をして、この冬を休戦し、春とともにべつな計をお立てなさい、というのである。戦機を観ること、さすが
慧眼
(
けいがん
)
だった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
慧眼
(
けいがん
)
の鬼火の姥には、詭計に思われてならなかった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
四年この方、江戸中を騒がせた「火の呪い」を、人間のせいと見破ったガラッ八の
慧眼
(
けいがん
)
は、この男にしては近頃の大手柄だったのでしょう。
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なんたる鋭い
慧眼
(
けいがん
)
でしたろう! 果然、はぎとった皮の一枚下からは、くまと思いきや、りっぱな人間の首が現われたのです。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それを自分の
慧眼
(
けいがん
)
だけがそれを見破っているように言っているのは、いかにももうろくに近い。
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
どう考えても、その
慧眼
(
けいがん
)
と智慮は、この周瑜などより一段上と思わなければならん
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狂ったためしのない
慧眼
(
けいがん
)
が、今度ばかりは意想外といいたげな面持ちをつづけていましたが、かくと知らばまた右門流でした。
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
勇三郎にかゝる疑ひには、
寸毫
(
すんがう
)
の動きがなくとも、なにか新しい證據を、平次の
慧眼
(
けいがん
)
で見付けられないものでもありません。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
だから
慧眼
(
けいがん
)
な史家は、大江時親の実在も疑い、正成の師事などもみとめていない。それに従来の楠公伝や、郷土史自体が時親の素姓については、具体的になに一つ傍証していなかった。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま
出鱈目
(
でたらめ
)
に、「自分のため」と言われても、ああ
慧眼
(
けいがん
)
と恐れいったりすることがないともかぎらぬような事態にたちいたるので、デカルト、べつだん卓見を述べたわけではないのである。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
爺を土手に置いて、屋根の上を見張らせたのは實に
慧眼
(
けいがん
)
ですが、折角姿を見た曲者を逃がしてしまつては何にもなりません。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いいつつ、哀々と訴えるようににらんだその目の光!——
慧眼
(
けいがん
)
並びない名人の目が、思いに悩み、もだえに輝く娘のその目を見のがすはずはないのです。
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ホッとして
行衣
(
ぎょうい
)
の土を払いながら、そこの朽ち木の根へ腰をおろした男は、姿こそまったく変っておりますが、まことに日本左衛門の
慧眼
(
けいがん
)
が
観
(
み
)
たとおり相良金吾その人に違いありません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火が燃え上がつてから、誰も氣の付かない『時間』のあつたことや、夏羽織を氣にして居た親分の
慧眼
(
けいがん
)
を、今更ガラツ八は思ひ當つた樣子です。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
残る三人の卍組
刺客
(
しかく
)
たちにも、てまえがもう死んだごとくに装って、その凶刃から一生安楽にのがれるつもりでござりましたが、右門のだんなの
慧眼
(
けいがん
)
に
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
火が燃え上がってから、誰も気の付かない“時間”のあったことや、夏羽織を気にしていた親分の
慧眼
(
けいがん
)
を、今さらガラッ八は思い当った様子です。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのなにものであるかを右門に言い当てられたとき、かくぎょッとなってあたりを見まわしたしだいでしたが、
慧眼
(
けいがん
)
右門には杉弥のそのわずかな動作だけで
右門捕物帖:07 村正騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さすがに
慧眼
(
けいがん
)
で、弾き進んで曲の終りに近づくと、燃焼し切った感興と情熱のやり場に、ケンプは困っているのではあるまいかと思うほどであった。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
だから、なんじょうその
慧眼
(
けいがん
)
の光らないでいらるべき、
烱々
(
けいけい
)
としてまなこより火を発しさせると、突き刺すごとくに鋭い質問が夫人のところに飛んでいきました。
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
もっとも、夕立は人間業で
拵
(
こしら
)
えられるわけはありませんから、平次は喧嘩を馴れ合いと
睨
(
にら
)
んだのは
慧眼
(
けいがん
)
でした。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
うしろに
慧眼
(
けいがん
)
はやぶさのごときわがむっつり右門が控えているとも知らずに、女はまずにっとばかりそれなる男に向かって、ひと目千両の
媚
(
こび
)
をつくってみせました。
右門捕物帖:06 なぞの八卦見
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さすがに
慧眼
(
けいがん
)
で、この人のリードを聴くと、非常に巧みではあるが、ドイツ人でない匂いを感じさせるだろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
なんじょう右門の
慧眼
(
けいがん
)
ののがすべき、臭いなと思ってすっくと立ち上がりながら近づいていって、こころみにたたいてみると、果然出っ張った土壁の奥は
空洞
(
くうどう
)
らしく
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
“慧眼”の意味
《名詞》
物事の本質を見抜く鋭い眼力。
(出典:Wiktionary)
慧
漢検準1級
部首:⼼
15画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“慧”で始まる語句
慧
慧敏
慧春尼
慧能
慧海
慧幢
慧巧
慧明院
慧日山
慧能大師