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快濶
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かいかつ
ふりがな文庫
“
快濶
(
かいかつ
)” の例文
時としては不謹慎となるまでに
快濶
(
かいかつ
)
だったが、その不謹慎のうちにも驚くべき巧妙さがあった。術数と真顔と仮面とに豊富だった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
がやがて以前の通りに元気のいい顔色に返ると、ニッコリと白い歯を見せつつ私を振り返った。窓の外を指しつつ
快濶
(
かいかつ
)
な口調で問うた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「イヤ御遠慮あるな伯父ごとは
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友なり、
足下
(
そっか
)
の事は書中にて承知致したり、心置きなくまず我方に居られよ」と
快濶
(
かいかつ
)
なる詞有難く
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
此
(
この
)
場所は
如何
(
いか
)
にも静で
且
(
か
)
つ
快濶
(
かいかつ
)
で、
如何
(
いか
)
な毒々しい運命の魔も身を隠して人を
覗
(
うか
)
がう暗い
蔭
(
かげ
)
のないのが僕の気に入ったからです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「なに平気なものか。平生あんなに
快濶
(
かいかつ
)
な男が、ろくに口も
利
(
き
)
き得ないで、お前さんの顔色ばかり見ていて、ここにも
居得
(
いえ
)
ないくらいだ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
私は同席の人もあるので、どうかと思ったがお蘭老婦人のあまりに
快濶
(
かいかつ
)
な様子に安心して訊いてみた。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「これで、
旧
(
むかし
)
の家でも焼けずに在ると、帰る機会が多いんだがナア」と達雄も
快濶
(
かいかつ
)
らしく笑った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
実にその物凄く
快濶
(
かいかつ
)
なる有様に
見惚
(
みと
)
れて私は湖岸の
断壁岩
(
だんぺきがん
)
に
屹立
(
きつりつ
)
して遙かに雲間に
隠顕
(
いんけん
)
するところのヒマラヤ雪峰を見ますると
儼然
(
げんぜん
)
たる
白衣
(
びゃくえ
)
の神仙が雲間に震動するがごとく
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
良人
(
おっと
)
との仲も
睦
(
むつ
)
まじく、所帯持も
好
(
よ
)
く、
快濶
(
かいかつ
)
ではないが優しい中に熱烈な所のある婦人で、芸術上の希望を満たしたいために女優として立つに至ったのも良人との相談の上であって
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
殊にどちらかといえば
快濶
(
かいかつ
)
な夫の性格として、そんな事はありそうに思えないのでございます。ましてその事情を夢にも知らない親類や両親たちが、ただ不思議がっているのも無理はありません。
鰻に呪われた男
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼はいつも
床
(
とこ
)
の上に細い
膝
(
ひざ
)
を
抱
(
だ
)
いたまま、
存外
(
ぞんがい
)
快濶
(
かいかつ
)
に話したりした。しかし僕は部屋の隅に置いた便器を眺めずにはいられなかった。それは
大抵
(
たいてい
)
硝子
(
ガラス
)
の中にぎらぎらする
血尿
(
けつにょう
)
を
透
(
す
)
かしたものだった。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
呉一郎が壁に頭を打付けて絶息しました
後
(
のち
)
は気力を回復されたらしく、あれ程の大事件のさなかにも拘わらず、
快濶
(
かいかつ
)
にキビキビと
種々
(
いろいろ
)
の指図をしておられました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
僕は心の自由を
恢復
(
かいふく
)
し、悪運の手より
脱
(
のが
)
れ、身の上の疑惑を
懐
(
いだ
)
くこと次第に薄くなり、
沈欝
(
ちんうつ
)
の気象までが
何時
(
いつ
)
しか雪の
融
(
と
)
ける
如
(
ごと
)
く消えて、
快濶
(
かいかつ
)
な青年の気を帯びて来ました。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
娘はフォークの尖にソーセージの一片と少しのシュークルートの酢漬けの
刻
(
きざ
)
みキャベツをつっかけて口に運びながら食卓に並んだ真中の新吉を越して夫人に
快濶
(
かいかつ
)
に話している。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
然し概して言えば初冬の野の景色はしみじみと面白いものである。霜の色の
蒼白
(
あおじろ
)
さは雪よりも
滋
(
しげ
)
くて切ない趣がある。それとは反対に霜どけの土の色の深さは初夏の雨上りよりも
快濶
(
かいかつ
)
である。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
僕は
咄嗟
(
とっさ
)
に
快濶
(
かいかつ
)
になった。
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
崖邸の若い男女がそういう滑らかで
快濶
(
かいかつ
)
な交際社会を展開しているのを見るにつけ、復一は自分の性質を
顧
(
かえり
)
みて、
遺憾
(
いかん
)
とは重々知りつつ、どうしても逆なコースへ向ってしまうのだった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「どうもこの町には無いナア」と達雄は
眉
(
まゆ
)
を動かして、
快濶
(
かいかつ
)
らしく笑った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ヨウ、日に焼けて、
壮健
(
じょうぶ
)
そうな児だわい」と達雄も
快濶
(
かいかつ
)
らしく笑った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
快
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
濶
漢検1級
部首:⽔
17画
“快”で始まる語句
快
快楽
快活
快哉
快樂
快癒
快走艇
快川
快方
快諾