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御决心
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ごけつしん
『
今迄のお
話で、
君が
此島へ
漂着の
次第は
分つたが、さて
此後は
如何になさる
御决心です。』
ず
沸かへる
涙も
人事にして
御不憫や
孃さま
此程よりのお
煩ひのもとはと
云はゞ
何ゆゑならず
柔和しき御
生質とて
口へとては
出し
給はぬほど
猶さらに
御いとほしお
心は
中々我が
云ふやうな
物にはあらず
此お
文御覽ぜばお
分りになるべけれど
御前さま
無情お
返事もし
遊ばされなば
彼のまゝに
居給ふまじき
御决心ぞと
見る
目は
海底戰鬪艇が
出來上つた
上は、
一日も
速く
日本へ
歸つた
方がいゝ、それで、なんと、
貴方はやつて
見る
御决心はありませんか、
若し
貴方が
主任者となつて、
一生懸命にやる
積なら
勿論君が
御决心で、
運命を
全く
天に
任せて、
再び
小端艇で、
印度洋の
波を
越えて、
本國へお
皈りにならうと
仰つしやれば、
仕方がありませんが、
私は
决して、
其樣な
無法な
事を
望みません