式部しきぶ)” の例文
きぬとは何人なんぴとぞ、きみおどろなかれ、藝者げいしやでも女郎ぢよらうでもない、海老茶えびちや式部しきぶでも島田しまだ令孃れいぢやうでもない、美人びじんでもない、醜婦しうふでもない、たゞのをんなである
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
女子薫子の父若江量長は伏見宮家職の筆頭で、殿上人てんじやうびとの家格のあつた人である。この若江氏はもと菅原氏で、その先は式部しきぶ権大輔ごんのたいふ菅原公輔のだん在公から出てゐる。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
竹内式部しきぶ山県大弐やまがただいに。カムフラージュされた形で賀茂真淵かもまぶち本居宣長もとおりのりなが以下の国学派がそれである。
尊攘戦略史 (新字新仮名) / 服部之総(著)
そのうちで、同じ通り二丁目の金貸、裏店うらだなながら、式部しきぶ小路に乗出している、浅田屋治平から借りた二千両が、先月いっぱいに返さないと大変なことになる、沢屋が店を
天正の式部しきぶになれ、現代の新しい納言なごんになれ、などとはいかにもこの少女のよろこびそうな煽動せんどうだが、いくさの出先の路傍ろぼうで拾った一少女にも、すぐそんな同情と励みを約して連れ帰るなどは
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小町こまちいろらふ島田髷しまだまげ寫眞鏡しやしんきやう式部しきぶさいにほこる英文和譯ゑいぶんわやく、つんで机上きじようにうづたかけれども此男このおとこなんののぞりてからずか、仲人なかうどもヽさへづりきヽながしにしてれなりけりとは不審いぶかしからずや
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れはれはおさどころいおかた、まあ今宵こよひ何處どこへおとまりにて、昨日あすはどのやうなうそいふておかへあそばすか、ゆふかた倶部樂くらぶ電話でんわをかけしに三ごろにおかへりとのことまた芳原よしはら式部しきぶがもとへではきか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)