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帆綱
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ほづな
ふりがな文庫
“
帆綱
(
ほづな
)” の例文
クニ子もそういう話にちゃんと
相槌
(
あいづち
)
を打って、生れながらの船乗りでない重吉がどうしても帆柱へ登れず、
帆綱
(
ほづな
)
の取りかえには
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
もちろん
檣
(
マスト
)
には、どこの国の船だかを語る旗もあがっていず、太い帆げたも、たるんだ
帆綱
(
ほづな
)
もまるで綿でつつんだように
氷柱
(
つらら
)
がついている。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その霧のなかに、ブランブランと、
人魂
(
ひとだま
)
のようにゆれている
魚油
(
ぎょゆ
)
のあかり。ギリギリ、ギリギリと
帆綱
(
ほづな
)
のきしむ気味の悪さ……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だが、気をつけろよ、船より波のほうが早いから、うしろからかぶさってくる波にからだをさらわれないように、
帆綱
(
ほづな
)
にからだをゆわえつけろよ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
懐中ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた上、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
おの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、離れた釘は、
可忌
(
いまわし
)
い
禁厭
(
まじない
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろい
)
の用に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
色と
響
(
ひびき
)
である。光のない上の世界と下の世界、その間を私たちの高麗丸のスクリュウが響く。機関が
熱
(
ほて
)
る。
帆綱
(
ほづな
)
が唸る。通風筒の耳の
孔
(
あな
)
が僅かに残照の紅みを反射する。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
二度、三度、つばさをバタバタやりましたが、もう、どうしようもありません。足が、船の
帆綱
(
ほづな
)
にさわりました。帆の上をすべり落ちて、バタッと、
甲板
(
かんぱん
)
の上に落ちました。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこで、小人はすぐさま
物置
(
ものおき
)
のほうへかけていって、
棒
(
ぼう
)
を持ってくると、かごにかけ、ちょうど
水夫
(
すいふ
)
が
帆綱
(
ほづな
)
をよじのぼるようなぐあいに、スルスルとよじのぼっていきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
舳を突っかけながら、あらためてつくづくと眺めると、
帆綱
(
ほづな
)
の
元場
(
もとば
)
にも
水先頭場
(
みずさきがしらば
)
にも、綱の
締場
(
しめば
)
にも、まるきり人影というものがない。たるみきった帆綱がゆらゆらと風に揺れているばかり。
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「西へ行く日の、
果
(
はて
)
は東か。それは
本真
(
ほんま
)
か。
東
(
ひがし
)
出る日の、
御里
(
おさと
)
は西か。それも本真か。身は波の上。
戢枕
(
かじまくら
)
。流せ流せ」と
囃
(
はや
)
している。
舳
(
へさき
)
へ行って見たら、水夫が大勢寄って、太い
帆綱
(
ほづな
)
を
手繰
(
たぐ
)
っていた。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしていきなり、脇差を抜き、片手にふるって、
蜘蛛手
(
くもで
)
に張り廻した
帆綱
(
ほづな
)
帆車
(
ほぐるま
)
、風をはらみきった十四反帆! ばらばらズタズタ斬り払った。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
帆綱
(
ほづな
)
をぐいとひっぱった。帆は海風をいっぱいにはらんだ。風はまともに島へむけて吹いている。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ボートは長さ四メートルばかりの
伝馬船
(
てんません
)
で、
帆柱
(
ほばしら
)
は根元から折れ、
右舷
(
うげん
)
はひどく破れていた。きれぎれの帆と、
帆綱
(
ほづな
)
の断片がちらばっているばかりで、船中にはなにもなかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そこに三本マストの大きな船が横たわっていました。そよとも風がないので、一本だけに帆が上げてあって、それをとりまいて、水夫たちが、
帆綱
(
ほづな
)
や帆げたに腰をおろしていました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
抵抗
(
てむかひ
)
も
成
(
な
)
らず
裸
(
はだか
)
にされて、
懷中
(
くわいちう
)
ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた
上
(
うへ
)
、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
をの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、
離
(
はな
)
れた
釘
(
くぎ
)
は、
可忌
(
いまはし
)
い
禁厭
(
まじなひ
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろひ
)
の
用
(
よう
)
に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
揺れ揺れ、
帆綱
(
ほづな
)
よ、空高く……
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
ほどなく、
大江
(
たいこう
)
のまん中へかかる。張順、
帆綱
(
ほづな
)
の加減を取っている截江鬼のそばへ来て、着ていた
蓑笠
(
みのがさ
)
をかなぐり捨てた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それよりか船の上はとてもあかるくて、甲板の上の
帆綱
(
ほづな
)
が、ごくほそいのまで一本一本わかるくらいだ、とみんなはいっていました。でも、まあ、わかい王子のほんとうにりっぱなこと。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
みよしに近く立っているのは、日本の少年
大和富士男
(
やまとふじお
)
である。そのつぎにあるは英国少年ゴルドンで、そのつぎは米国少年ドノバンで、最後に
帆綱
(
ほづな
)
をにぎっているのは、黒人モコウである。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
飾磨
(
しかま
)
の麻屋万兵衛の家は、店は取るに足らない小店だが、近郷から麻を買い集め、それを
漁師
(
りょうし
)
の娘や女房たちの手内職に出して、
帆綱
(
ほづな
)
や、網の製品とし、ともかく一戸の旦那といわれている者なのに
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それッ、
帆綱
(
ほづな
)
をひけ!
大金
(
おおがね
)
もうけだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
帆綱
(
ほづな
)
に
集
(
たか
)
れーッ、帆綱をまけ——」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帆
常用漢字
中学
部首:⼱
6画
綱
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“帆綱”で始まる語句
帆綱番