“ほづな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
帆綱88.9%
帆索11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その霧のなかに、ブランブランと、人魂ひとだまのようにゆれている魚油ぎょゆのあかり。ギリギリ、ギリギリと帆綱ほづなのきしむ気味の悪さ……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だが、気をつけろよ、船より波のほうが早いから、うしろからかぶさってくる波にからだをさらわれないように、帆綱ほづなにからだをゆわえつけろよ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
こちらの船は見るからあわれを催すような古めかしさで、穴だらけの甲板には貝の悪臭が滲みとおり、帆索ほづなには真珠貝の肉が玉葱のようにぶらさがっている。
三界万霊塔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
私どもはその台風がすっかりおそってこないうちに帆索ほづなをゆるめておきましたが、最初の一吹きで、二本のマストのこぎりでひき切ったように折れて海へとばされました。