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小使
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こづかひ
その時分の生徒が
茶番さんと云つた
小使の部屋で女中はお嬢さんのお人形を造つたりして
何時も待つて居ました。
小使のニキタは
相も
變らず、
雜具の
塚の
上に
轉つてゐたのであるが、
院長の
入つて
來たのに
吃驚して
跳起きた。
「まだ弟がゐます。是は銀行の——まあ
小使に少し毛の生えた位な所なんでせう」
爰へ
呼參る
可との事なれば
早速村の
小使を
走せ江戸表より
御着の役人方より御用の由早々
名主宅迄御出なさるべしと
云すれば祐然は聞て
驚き何事やらんと
支度なし急ぎ甚兵衞方へ
赴きけり
此の
積上げられたる
雜具の
上に、
毎でも
烟管を
噛へて
寐辷つてゐるのは、
年を
取つた
兵隊上りの、
色の
褪めた
徽章の
附いてる
軍服を
始終着てゐるニキタと
云ふ
小使。
アンドレイ、エヒミチは、イワン、デミトリチの
寐臺の
上に
腰を
掛けて、
大約半時間も
待つてゐると、
室の
戸は
開いて、
入つて
來たのはハヾトフならぬ
小使のニキタ。