寄附よりつ)” の例文
むらたれにかもせて、あやしさをたゞしぶきごとらさう、とひとげぬのではいけれども、昼間ひるまさへ、けてよるつて、じやうぬま三町四方さんちやうしはう寄附よりつかうと兄哥せなあらぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
林「ひえへゝゝ是はどうも面白おもしろえ、やりたいようだが、何分間が悪うて側へ寄附よりつかれません」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
のかはり、もとからうはさたかかつたお天守てんしゆへんは、ひと寄附よりつかぬすごところりましたよ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふてい奴でございます、大きな野台骨やたいぼねを張っては居りますが、月給を払わないもんだから奉公人も追々おい/\減ってしまい、蕎麦屋でも、魚屋でも勘定をしねえから寄附よりつく者はねえので
中にはもう此処等ここいらから仮声こわいろをつかって壮佼わかものがある、浅黄あさぎ襦袢じゅばん膚脱はだぬいく女房がある、その演劇しばいの恐しさ。大江山おおえやまの段か何か知らず、とても町へは寄附よりつかれたものではない。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だまつてゐな、おら馬鹿ばかすきだ……其儘そのまゝかへつて綿服めんぷくけ、先方むかうくと寄附よりつきへとほすか、それとも広間ひろまとほすか知らんが、鍋島なべしま唐物からものなにいてるだらう、かこひへとほる、草履ざうりが出てやう
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
多日しばらく寄附よりつかなかった本郷の叔母さんのもとを訪ねたのがあった。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)