大雪おおゆき)” の例文
そのとしれ、大雪おおゆきってさむばんに、からすは一つのうまやつけて、その戸口とぐちにきて、うすぐらうちをうかがい、一宿やどもとめようとはいりました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おお! おかみさん、えらくりだしたじゃねえか。いやになるねえ、いつまでも寒くて、この大雪おおゆきじゃ、わしのぼろぐつで歩くのはこたえまさあね」
そのいくさは九ねんもつづいて、そのあいだにはずいぶんはげしい大雪おおゆきなやんだり、兵糧ひょうろうがなくなってあやうくにをしかけたり、一てきいきおいがたいそうつよくって
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
木枯こがらしのよるのことです。うえには、二、三にちまえった大雪おおゆきがまだえずにのこっていました。そらには、きらきらとほしが、すごい雲間くもまかがやいていました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
むらまつ片方かたほうえだは、ふゆ大雪おおゆきったときにれたものでした。旅人たびびとは、なつかしそうに、ひじょうにそれとよく姿すがたている、まつしたにきてやすみました。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あのとき、おまえのおだてにのってやまなかはいってみろ、この大雪おおゆきに、どうしてやすらかにねることができるか。おまえのようなうそつきには、宿やどしてやることはできない。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
からすは、大雪おおゆきなかをあてもなく、そこからったのであります。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、こうした大雪おおゆきのときは、よく小鳥ことりまよって、あかりをてやってくることがあるものだと、おじいさんはっていました。これはきっとすずめか、やまがらが、まよってんできたのだろう。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、やま大雪おおゆきった、あるさむのことでありました。
一本のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)