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そとうみ
ふりがな文庫
“
外海
(
そとうみ
)” の例文
西北へまわった風を
帆
(
ほ
)
にうけて、あやしの船は、すでにすでに、入江を切って、白い波をかみながら、
外海
(
そとうみ
)
へでてゆくではないか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外海
(
そとうみ
)
から発見されることをさけるためであろうと思われたが、その道の行きあたりに、この原始林の世界にはにあわぬ洋風の小屋があった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そいつが友吉親子の顔を見知っていたので、それとなく貰い下げて追い放した奴を、
外海
(
そとうみ
)
で待伏せていた配下の奴が
殺
(
や
)
ったものに違いないね。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
外海
(
そとうみ
)
の
暴
(
あら
)
い怒號の外に、なほ町自身の
膊動
(
はくどう
)
がある。何かと云ふとそれはかの平地を驅けつて來る汽車である。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「あなたがたは
外海
(
そとうみ
)
の
方
(
ほう
)
で、どこかほかの
船
(
ふね
)
におあいになりませんでしたか?」と、
若者
(
わかもの
)
たちはたずねました。すると、
昨夜
(
さくや
)
はいってきたという
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
から
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
黒煙をあげて走る曳船は、港の口から
外海
(
そとうみ
)
に、龍睡丸を、ひきだした。港外には、いい風がふいている。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
海岸警衛の諸役人が、すわやと思っていると、羽田沖で急に転回し、
外海
(
そとうみ
)
の方へ向けて走り始めた。
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
入り海にそった白い道は、この小部落にさしかかるとともに、しぜんに岬を横ぎって、やがて
外海
(
そとうみ
)
ぞいに、海を見おろしながら小石先生の学校のある岬村へとのびている。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
浮力の加減で
船底
(
せんてい
)
にハリツイていた喜三郎の屍体は、その
儘
(
まま
)
連れ出されて
外海
(
そとうみ
)
へ漂流する訳だ。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
外海
(
そとうみ
)
は太陽がキラキラとかがやいているのに、荒波はしぶきを上げて
咆
(
ほ
)
えたてているのだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
外海
(
そとうみ
)
へ餌を取りに出たオットセイの親を人間がつかまえると、その子は餓え死んでしまうのだって……だから今では、外海でオットセイを捕らせないことになっているんだって
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金五郎は、
舳
(
へさき
)
に立った。港に背を向け、黒々と荒れる
外海
(
そとうみ
)
に向かって、胸を張った。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
長岡郡
(
ながおかぐん
)
の国府に在任していた国司などが、任期を終えて都へ帰って往くには、
大津
(
おおつ
)
の
崎
(
さき
)
と云う処から船に乗って、入江の右岸になったこの地をさして漕いで来て、それから
外海
(
そとうみ
)
に出て
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
澗のうちを洗って、
滑川
(
なめりかわ
)
の近くから
外海
(
そとうみ
)
へ出て行く早い潮の流れがある。二日もすれば、片瀬か江ノ島の沖へ浮きあがるはずだから、そっちを捜すほうが早道だとそんなことを言っている。
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
元来
伏木
(
ふしき
)
直江津間の航路の三分の一は、
遙
(
はるか
)
に能登半島の
庇護
(
ひご
)
によりて、
辛
(
から
)
くも
内海
(
うちうみ
)
を
形成
(
かたちつく
)
れども、
泊
(
とまり
)
以東は全く洋々たる
外海
(
そとうみ
)
にて、快晴の日は、佐渡島の
糢糊
(
もこ
)
たるを見るのみなれば、
四面
(
しめん
)
淼茫
(
びょうぼう
)
として
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美事な日本晴れの
朝凪
(
あさな
)
ぎで、さしもの玄海灘が
内海
(
うちうみ
)
か
外海
(
そとうみ
)
かわからない。
絶影島
(
まきのしま
)
を中心に左右へ引きはえる山影、
岩角
(
がんかく
)
は宛然たる名画の
屏風
(
びょうぶ
)
だ。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だからこの船にのって、潮の流れにしたがえば、
外海
(
そとうみ
)
に出られることは、まずまちがいないと観測していたのだ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
黒
(
くろ
)
い
頭
(
あたま
)
が、みんな
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
に
引
(
ひ
)
っ
込
(
こ
)
んでしまいました。それからまもなく、その
陰気
(
いんき
)
な
船
(
ふね
)
は
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
して、
影
(
かげ
)
のようにこの
港
(
みなと
)
の
内
(
うち
)
から、
外海
(
そとうみ
)
へ
出
(
で
)
ていってしまったのであります。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いま、
鏡
(
かがみ
)
のような入江をすべって浜名湖から
外海
(
そとうみ
)
へとでてゆく、あやしい船の影——それをチラと見たせつなに、龍太郎のむねを不安にさわがしたのは、小船にのこした
伊那丸
(
いなまる
)
の身の上だった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
只さえ気の荒い
外海
(
そとうみ
)
育ちの上に、もういい加減酔払っていた若い連中は、これを聞くと一時に殺気立ってしまった。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だけど、みんな水をドッサリ飲んでいたんで駄目だったんですとさあ。そのほかの袋は十日ばかし経ってから、タッタ二個だけ、
外海
(
そとうみ
)
の岸に流れ付いたそうよ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ナニもう
外海
(
そとうみ
)
よ」
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“外海”の意味
《名詞》
陸地に囲まれていない外側の海。
陸地から離れた遠い海。
(出典:Wiktionary)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“外海”で始まる語句
外海府
外海側
外海船