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唐机
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とうづくえ
ふりがな文庫
“
唐机
(
とうづくえ
)” の例文
八畳の茶の間に
燈火
(
とうか
)
煌々
(
こうこう
)
と輝きて、二人が日頃食卓に用ひし
紫檀
(
したん
)
の大きなる
唐机
(
とうづくえ
)
の上に、
箪笥
(
たんす
)
の鍵を添へて一通の手紙置きてあり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
廊下
伝
(
づた
)
ひに
中庭
(
なかには
)
を
越
(
こ
)
して、
奥
(
おく
)
へ
来
(
き
)
て見ると、
父
(
ちゝ
)
は
唐机
(
とうづくえ
)
の
前
(
まへ
)
へ
坐
(
すは
)
つて、
唐本
(
とうほん
)
を
見
(
み
)
てゐた。
父
(
ちゝ
)
は詩が
好
(
すき
)
で、
閑
(
ひま
)
があると折々支那人の詩集を
読
(
よ
)
んでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕はお父さんの書斎から地図を持って来て客間の
唐机
(
とうづくえ
)
の上に広げた。
平常
(
ふだん
)
はお客さんがあると引っ込んでいなければならないのだが、今日は僕が出ていないと用が足りない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
家主
(
いえぬし
)
の
植長
(
うえちょう
)
がどこからか買い集めて来てくれた家具の一つの
唐机
(
とうづくえ
)
に向って、その書いて見るということに
著手
(
ちゃくしゅ
)
しようとして見たが、頭次第だと云う頭が、どうも空虚で、何を書いて
好
(
い
)
いか分らない。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
唐机
(
とうづくえ
)
の上に
孔雀
(
くじゃく
)
の羽を押立る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
廊下伝いに中庭を越して、奥へ来て見ると、父は
唐机
(
とうづくえ
)
の前へ坐って、唐本を見ていた。父は詩が好きで、
閑
(
ひま
)
があると折々支那人の詩集を読んでいる。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枕
(
まくら
)
に聞いたそれらしい響は雨だれの
樋
(
とい
)
から
溢
(
あふ
)
れ落ちるのであったのかも知れぬ。わたしは最後に
先考
(
せんこう
)
の書斎になっていた離れの
一間
(
ひとま
)
の杉戸を開けて見た。
紫檀
(
したん
)
の
唐机
(
とうづくえ
)
水晶の
文鎮
(
ぶんちん
)
青銅の花瓶黒檀の書架。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
児雷也
(
じらいや
)
が魔法か何か使っているところや、顔より大きそうな
天眼鏡
(
てんがんきょう
)
を持った白い髯の爺さんが、
唐机
(
とうづくえ
)
の前に坐って、
平突
(
へいつく
)
ばったちょん
髷
(
まげ
)
を上から
見下
(
みおろ
)
すところや
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唐机
(
とうづくえ
)
の上なる
書掛
(
かきかけ
)
の草稿と多年
主人
(
あるじ
)
が
愛翫
(
あいがん
)
の文房具とを照し出す。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
舞葡萄
(
まいぶどう
)
とかいう木の一枚板で中を張り詰めたその大きな
唐机
(
とうづくえ
)
は、百円以上もする見事なものであった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
相変らずの
唐机
(
とうづくえ
)
を控えて、宗近の
父
(
おとっ
)
さんが
鬼更紗
(
おにざらさ
)
の
座蒲団
(
ざぶとん
)
の上に坐っている。
襯衣
(
シャツ
)
を嫌った、
黒八丈
(
くろはちじょう
)
の
襦袢
(
じゅばん
)
の
襟
(
えり
)
が
崩
(
くず
)
れて、素肌に、もじゃ、もじゃと胸毛が見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
perceptual な叙述のもっとも簡便な形式は
洋卓
(
テーブル
)
は
唐机
(
とうづくえ
)
のごとしとか、柹は赤茄子のごとしとか、
驢
(
ろ
)
は
騾
(
ら
)
のごとしとか、すべて眼に見、耳に聞き、手に触れ、口に味わい
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母の宿はさほど大きくはなかったけれども、自分の泊っている所よりはよほど上品な
構
(
かまえ
)
であった。
室
(
へや
)
には扇風器だの、
唐机
(
とうづくえ
)
だの、特別にその唐机の
傍
(
そば
)
に備えつけた電灯などがあった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
机
常用漢字
小6
部首:⽊
6画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍