咲亂さきみだ)” の例文
新字:咲乱
さかりと咲亂さきみだれ晝と雖も花明はなあかりまばゆきまでの別世界べつせかい兩側りやうがはの引手茶屋も水道尻すゐだうじりまで花染はなぞめ暖簾のれん提灯ちやうちん軒を揃へて掛列かけつらね萬客の出入袖を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さま/″\のをんな引込ひつこむのをとしたが、當春たうしゆん天氣てんきうらゝかに、もゝはなのとろりと咲亂さきみだれた、あたゝかやなぎなかを、川上かはかみほそステツキ散策さんさくしたとき上流じやうりうかたよりやなぎごとく、ながれなびいて
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吾等われら上陸じやうりくしたへん自然しぜんまゝなる芝原しばゝら青々あをあをとして、其處此處そここゝに、れぬ紅白こうはくさま/″\のはな咲亂さきみだれて、みなみかぜがそよ/\とくたびに、りくからうみまでえならぬ香氣にほひおくるなど
さかりと咲亂さきみだれえも云れぬ景色けしきに寶澤は茫然ばうぜんと暫し木蔭こかげやすらひてながめ居たり此時はるかむかうより年頃四十ばかりの男編綴へんてつといふをまと歩行あゆみ來りしがあやしやと思ひけん寶澤に向ひて名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)