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よしのがみ
ふりがな文庫
“
吉野紙
(
よしのがみ
)” の例文
烏瓜の花は「花の
骸骨
(
がいこつ
)
」とでも云った感じのするものである。遠くから見ると
吉野紙
(
よしのがみ
)
のようでもありまた一抹の煙のようでもある。
烏瓜の花と蛾
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
戸を
開
(
あ
)
けると、
露一白
(
つゆいっぱく
)
。
芝生
(
しばふ
)
には
吉野紙
(
よしのがみ
)
を広げた様な
蜘網
(
くものあみ
)
が張って居る。小さな露の玉を
瓔珞
(
ようらく
)
と
貫
(
つらぬ
)
いた
蜘
(
くも
)
の糸が、枝から枝にだらりと
下
(
さが
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
さる
子細
(
しさい
)
あればこそ
此處
(
こゝ
)
の
流
(
なが
)
れに
落
(
おち
)
こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ
串談
(
じようだん
)
に
其日
(
そのひ
)
を
送
(
おく
)
つて
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
ぴつかりとする
斗
(
ばかり
)
、
人
(
ひと
)
の
涕
(
なみだ
)
は百
年
(
ねん
)
も
我
(
が
)
まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
玲瓏
(
れいろう
)
つて
云
(
い
)
ふんですか、
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
も、
腕
(
うで
)
も、
胸
(
むね
)
なんぞは
乳
(
ちゝ
)
のなり、
薄掻卷
(
うすかいまき
)
へすつきりと
透
(
す
)
いて、
映
(
うつ
)
つて、
眞綿
(
まわた
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
のやうに
血
(
ち
)
を
壓
(
おさ
)
へて、
骨
(
ほね
)
を
包
(
つゝ
)
むやうなんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
からすうりの花は「花の
骸骨
(
がいこつ
)
」とでもいった感じのするものである。遠くから見ると
吉野紙
(
よしのがみ
)
のようでもありまた
一抹
(
いちまつ
)
の煙のようでもある。
からすうりの花と蛾
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
さる子細あればこそ此處の流れに落こんで嘘のありたけ串戲に其日を送つて、情は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の薄物に、螢の光ぴつかりとする斗、人の涕は百年も我まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ここで
桐
(
きり
)
の箱も
可懐
(
なつか
)
しそうに
抱
(
だき
)
しめるように持って出て、
指蓋
(
さしぶた
)
を、すっと引くと、
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
霞
(
かすみ
)
の中に、お雛様とお雛様が、
紅梅白梅
(
こうばいはくばい
)
の面影に、ほんのりと出て、
口許
(
くちもと
)
に
莞爾
(
にっこ
)
とし
給
(
たま
)
う。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さる子細あればこそ
此処
(
ここ
)
の流れに落こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ串談にその日を送つて、
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の薄物に、
蛍
(
ほたる
)
の光ぴつかりとするばかり、人の涕は百年も我まんして
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
分けて今度の花は、お
一
(
いち
)
どのが
蒔
(
ま
)
いた
紅
(
あか
)
い玉から咲いたもの、
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
霞
(
かすみ
)
で包んで、
露
(
つゆ
)
をかためた
硝子
(
ビイドロ
)
の
器
(
うつわ
)
の中へ
密
(
そっ
)
と
蔵
(
しま
)
つても置かうものを。人間の黒い手は、此を見るが最後
掴
(
つか
)
み散らす。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“吉野”で始まる語句
吉野
吉野郷
吉野山
吉野川
吉野丸
吉野宮
吉野屋
吉野雛
吉野河
吉野桜