勘辨かんべん)” の例文
又七殿訴へなば大亂たいらんとなり白子屋の家名かめい立難たちがたしお常殿は女の事故其處そのところへ氣もつかれざるは道理もつともの事なれども能々よく/\勘辨かんべんありて隨分ずゐぶん又七殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引き取ると一緒に、あの男は刑務所の方へ引き取つて貰はうと思つたのだが、まアまアこんどだけは勘辨かんべんしてあげたんだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
だよう、おとつゝあになぐられつから、おとつゝあ勘辨かんべんしてくろよう」と歔欷すゝりなくやうな假聲こわいろさらきこえた。惘然ばうぜんとしてすべてがどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「目の廻しやうを自慢するんぢやあるまいネ、あきれた野郎だ。この上若樣の御容體が惡かつたら勘辨かんべんしないぞ」
受出うけいだし候分は勘辨かんべん致し遣はし殘金ざんきんだけを返し候樣にと申せしに却てかれは盜人の惡名を付しなどとことほか立腹りつぷくして私しを切殺さんと刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それにまあ本當ほんたういへばひと村落むらうしてるんだからさきこまつてるうち勘辨かんべんしてつたとると一しやうさきがひけて道理だうりだがそれが一ぱいつみにでもおとしてると
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
受たる十三兩三分は勘辨かんべんするによりのこりの金を只今かへされよと云ふに文右衞門扨々聞譯きゝわけのなき男かな然れば是非ぜひに及ばず是を見てうたがひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なあにれ、蜀黍もろこしつたときにや勘辨かんべんしめえとおもつたんだつけがお内儀かみさんにらツたから我慢がまんしたんだ、卯平うへいだらやりしてやんだ、いやれにや本當ほんたうられつとも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)