再挙さいきょ)” の例文
旧字:再擧
ちかく再挙さいきょをはかることは、もちろんだ。奇術師のわたしには、どんなあついとびらも、どんなげんじゅうなじょうまえも、すこしも、やくにたたないのだ。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「よし、残念だが、背に腹はかえられない。十分のあいだにここを逃げだして、再挙さいきょをはかることにしよう」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この時に当りて徳川家の一類に三河みかわ武士の旧風きゅうふうあらんには、伏見ふしみ敗余はいよ江戸に帰るもさらに佐幕さばくの諸藩に令して再挙さいきょはかり、再挙三拳ついにらざれば退しりぞいて江戸城を守り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
が、なにもうしましてもおんな細腕ほそうでちからたのむ一ぞく郎党ろうとうかずもよくよくのこすくなになってしまったのをましては、再挙さいきょ計劃けいかく到底とうてい無益むやくであることが次第次第しだいしだいわかってまいりました。
師直の執事令しつじれいを、とくに重く出先の大将たちへ尊氏がこう言いふくめていたのは、すでにもう尊氏の心のうちでは、九州の地を去って、再挙さいきょ、ひがしへ軍をかえすの用意が——ひそかに
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あのX号は、あの時サハラ沙漠の上で、ほんとうに死んでしまったのだろうか。ひょっとしたら、あのまえにロケットから飛びおりて、どこかにかくれ、まだ生きのこって再挙さいきょの日を
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
烏江うこう水浅みずあさくして騅能逝すいよくゆくも一片いっぺんの義心ぎしん不可東ひんがしすべからずとは、往古おうこ漢楚かんその戦に、楚軍そぐんふるわず項羽こううが走りて烏江うこうほとりに至りしとき、或人はなお江を渡りて、再挙さいきょの望なきにあらずとてその死をとどめたりしかども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
にもかくにも、落城後らくじょうごわたくしおんなながらも再挙さいきょはかるつもりで、わずかばかりの忠義ちゅうぎ従者じゅしゃまもられて、あちこちにひそめてりました。領地内りょうちない人民じんみんたいへんわたくしたいして親切しんせつにかばってくれました。