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じゅろう
ふりがな文庫
“
入牢
(
じゅろう
)” の例文
その代り、みなもその覚悟してな、
入牢
(
じゅろう
)
の腹を決めて下されな。
俺
(
わし
)
も、ことによっては、磔にでもなんでもなる覚悟をするけにな。
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
町「はい……おのれ蟠龍軒、よくも我が父を殺せしよな、
汝
(
おのれ
)
如き畜生のために永い月日の艱難苦労、旦那様は
入牢
(
じゅろう
)
まで致したぞよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私が彼奴を縛って行くのは
雑作
(
ぞうさ
)
もありませんが、あいつが
入牢
(
じゅろう
)
して吟味をうける。兇状が決まって江戸じゅうを引き廻しになる。
半七捕物帳:03 勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なぞと、うそにも陰口をきこうものなら、下民の分際をもって、上ご政道をとやかく申せし段ふらち至極とあって、これがまず
入牢
(
じゅろう
)
二十日。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
知って
秘
(
ひ
)
し隠しに隠していた。しかし何の罪によって
入牢
(
じゅろう
)
したかは、誰も教えてくれなかった。無論これ程の大罪とは知る由もなかったのだ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
彼の属するアウグスチノ会のグチエレス長老が、その前年に捕えられて
入牢
(
じゅろう
)
しておったが、まず次兵衛は竹中
采女
(
うねめ
)
の別当に雇われることに成功した。
安吾の新日本地理:06 長崎チャンポン――九州の巻――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
吟味中
(
ぎんみちゅう
)
入牢
(
じゅろう
)
仰付
(
おおせつく
)
といい渡された時には歌麿は余りのことに、
危
(
あやう
)
く
白洲
(
しらす
)
へ
卒倒
(
そっとう
)
しようとしたくらいだった。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
入牢
(
じゅろう
)
申しつける——という法的な言明が下されるのでなければ、獄に繋ぐことはできない。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こいつの
凌辱
(
りょうじょく
)
を蒙った無惨な尼たちが幾人あるか知れない——そのうちに、露見し、捕手二人を傷つけたが、ついに
搦
(
から
)
め取られて
入牢
(
じゅろう
)
の身となったのが、安政年間だとかいうこと。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と国貞は声を沈まして、忘れもせぬ文化三年の春の
頃
(
ころ
)
、その師
歌川豊国
(
うたがわとよくに
)
が『
絵本太閤記
(
えほんたいこうき
)
』の挿絵の事よりして
喜多川歌麿
(
きたがわうたまろ
)
と同じく
入牢
(
じゅろう
)
に及ぼうとした当時の恐しいはなしをし出した。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
入牢
(
じゅろう
)
、追放、
欠所
(
けっしょ
)
、手錠に処せられた、大町人、役者、芸人の数も
少
(
すくな
)
くはありませんが、木場の増田屋惣兵衛などは最も手ひどい目に逢った一人で、町奉行鳥居甲斐守に睨まれて入牢
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
持上げられるだけ持上げられても、其実
入牢
(
じゅろう
)
させられたも同様で有った。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その明くる日、霊岸島の米問屋三島の店から後家のお糸と番頭の由兵衛が奉行所へ呼び出されて、すぐに
入牢
(
じゅろう
)
を申し渡された。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
進んで
入牢
(
じゅろう
)
を急ぐ子どもたちと、喜んで牢を放たれるきょうだいたちが、右門のそでの陰でさびしく
笑顔
(
えがお
)
を送り合いました。
右門捕物帖:33 死人ぶろ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
この暗黒の
入牢
(
じゅろう
)
中にカサ頭になり、ビッコになつた。滑稽なる姿を終生負はねばならなかつたが、又、雄渾なる記念碑を負ふ栄光をもつたのだ。かういふ義理堅いことをやる。
黒田如水
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
此の訴訟をお
採上
(
とりあ
)
げになりませんと
私
(
わたくし
)
の一命に
拘
(
かゝ
)
わりますと申したので、お採上げになって、直に
松右衛門
(
まつえもん
)
の手で腰縄をかけさせまして
入牢
(
じゅろう
)
と相成り、年寄へ其の趣きを届け
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
江の島の
巫女
(
みこ
)
殺しも、みな、郁次郎殿の
所業
(
しわざ
)
と睨まれ、ご本人もまた、それに相違ないと自白をなされて、昨日、江戸表へ差し立てと同時に、南町奉行所の仮牢へ
入牢
(
じゅろう
)
なされました
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何でも、村の貧しいお百姓達が、御年貢を収めないので、庄屋殿が
入牢
(
じゅろう
)
している。
奉行と人相学
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
勿論
(
もちろん
)
この
儀
(
ぎ
)
は
拷問
(
ごうもん
)
の苦痛に堪へかね偽りの申立を致候事なれど、いづれに致せ、賽銭を盗み候儀は明白に御座候間、そのまゝ
入牢
(
じゅろう
)
と相きまり候処、十日ばかりにて牢内において病死致候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それと知って、彼がおどろいて江戸へ引っ返したのは、次郎左衛門が
入牢
(
じゅろう
)
ののちであった。彼は主人の行く末を見とどけて、ふたたび佐野へ泣きに帰った。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
はめ込み
女衒
(
ぜげん
)
のだまし罪ゃ
入牢
(
じゅろう
)
と決まってるんだ。ついでにふたり、伝馬町へ涼ましに送りますぜ
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
この暗黒の
入牢
(
じゅろう
)
中にカサ頭になり、ビッコになつた。滑稽なる姿を終生負はねばならなかつたが、又、雄渾なる記念碑を負ふ栄光をもつたのだ。かういふ義理堅いことをやる。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
天下の町人と云う
廉
(
かど
)
で見附から
町奉行
(
まちぶぎょう
)
へ引渡しになって、別に
科
(
とが
)
はないが、天下の飾り道具を持出した廉で吟味中
入牢
(
じゅろう
)
を申し付けると云うので、暮の廿六日に牢
行
(
ゆき
)
になりました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殿
(
でん
)
ノ法印の献言で、新政府では、発行早々とかく市民の間で軽侮されている楮幣の流用と絶対価をここで徹底させるため、楮幣拒否のかどで捕えた
入牢
(
じゅろう
)
中の者をみな、見せしめのため
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以て単に文化二年の事件に坐して三日間
入牢
(
じゅろう
)
したるが故のみとなさずむしろ多年婦人美の追究にその健康を破壊したるがためならんと
思惟
(
しい
)
しその秘戯画については殊に著者独特の筆を
振
(
ふる
)
つて叙述の労を
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今から二十年ほど前に、和泉屋の番頭勇蔵が
入牢
(
じゅろう
)
した。それは紀州家か尾張家かへ納めた品々に、何か不正のことがあったと云うのである。その吟味中に勇蔵は牢死した。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
入牢
(
じゅろう
)
している人の愛惜の品々がそっくりしている書斎。たぶんその人が死刑になれば魂魄はここへもどってきて、今私の坐してるフトンに坐って机に向うに相違ないような気がする。
明日は天気になれ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「実は、拙者の友人で、
土肥八十三郎
(
どいやそさぶろう
)
という者が、ちと嫌疑をうけて、
入牢
(
じゅろう
)
した」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さてお話二つに
岐
(
わか
)
れまして、
彼
(
か
)
の喧嘩の裁判は亥太郎が
入牢
(
じゅろう
)
を仰せ付けられ、翌年の二月二十六日に出牢致しましたが、別に
科
(
とが
)
はないから
牢舎
(
ろうや
)
の表門で一百の
重打
(
おもたゝ
)
きと云うので、
莚
(
むしろ
)
を敷き
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
入牢
(
じゅろう
)
は何日と何日でござる」
右門捕物帖:35 左刺しの匕首
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
お紺の亭主はなんにも知らないというので、この事件に関する重い仕置を免かれたが、平生の身持よろしからずという罪名のもとに、
入牢
(
じゅろう
)
百日の上で追放を申し渡された。
半七捕物帳:23 鬼娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
甲「うむ、吟味中
入牢
(
じゅろう
)
申し付ける」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
入牢
(
じゅろう
)
させてあります」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は
入牢
(
じゅろう
)
のままで裁判の日を待っているのであった。その係りの吟味方は秋山嘉平次である。
真鬼偽鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
豐「吟味中
入牢
(
じゅろう
)
申し付ける」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何さま逞ましげな
悪戯
(
いたずら
)
小僧ではあるが、まだ十五六の小坊主が百両の金を奪い、あわせて羽織まで剥ぎ取ろうとは思えないので、彼は吟味の済むまで
入牢
(
じゅろう
)
を申し付けられた。
半七捕物帳:27 化け銀杏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吟味中
入牢
(
じゅろう
)
申付ける、權六
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
安蔵寺に泊まっていた四人、その三人は住職の駕籠について行き、一人は江戸に残っていましたが、いずれも召し捕って
入牢
(
じゅろう
)
申し付けられ、その中で二人は牢死、二人は遠島になりました。
半七捕物帳:25 狐と僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
覚光も一旦は
入牢
(
じゅろう
)
申し付けられ、日本橋に
晒
(
さら
)
しの上で追放になりました。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
去年の冬から百日あまりの
入牢
(
じゅろう
)
が一種の懲戒処分であった。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“入牢”の意味
《名詞》
牢獄に入れられること。
(出典:Wiktionary)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
牢
漢検準1級
部首:⽜
7画
“入牢”で始まる語句
入牢中