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偏屈
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へんくつ
ふりがな文庫
“
偏屈
(
へんくつ
)” の例文
お淺に訊くと、骨身を
惜
(
をし
)
まずよく働く上、少し
偏屈
(
へんくつ
)
ですが正直者で、皆んなに重寶がられてゐるといふことです。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はただKの健康について
云々
(
うんぬん
)
しました。一人で置くとますます人間が
偏屈
(
へんくつ
)
になるばかりだからといいました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
その
)
物吝
(
ものをし
)
みが
甚
(
いか
)
い
損失
(
そんしつ
)
。
折角
(
せっかく
)
の
美
(
うつく
)
しさも、
其
(
その
)
偏屈
(
へんくつ
)
ゆゑに
餓死
(
うゑじに
)
をして、
其
(
その
)
美
(
うつく
)
しさを
子孫
(
しそん
)
には
能
(
よ
)
う
傳
(
つた
)
へぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
もと/\芸人社会は
大好
(
だいすき
)
な
趣味性
(
しゆみせい
)
から、お
豊
(
とよ
)
の
偏屈
(
へんくつ
)
な思想をば攻撃したいと心では思ふものゝそんな事から
又
(
また
)
しても
長
(
なが
)
たらしく「先祖の
位牌
(
ゐはい
)
」を論じ出されては
堪
(
たま
)
らないと
危
(
あやぶ
)
むので
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
失ひ花見と
言
(
いへ
)
ば上野か
隅田
(
すみだ
)
又は日暮里飛鳥山人の
出盛
(
でさか
)
る
面白
(
おもしろ
)
き所へ行が
本統
(
ほんとう
)
なるに如何常より
偏屈
(
へんくつ
)
成
(
なる
)
若旦那とは言ながら
遠
(
とほ
)
き王子へ態々行夫も
賑
(
にぎは
)
ふ日暮里をば
嫌
(
きら
)
ひて
見榮
(
みばえ
)
なき
土地
(
とち
)
の音羽を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
玄竹
(
げんちく
)
、
頭
(
あたま
)
を
押
(
おさ
)
へて、『
御城内
(
ごじやうない
)
で、
御近習
(
ごきんじゆ
)
に
切
(
き
)
られました。
御城内
(
ごじやうない
)
へ
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
りますと、これが
一
(
ひと
)
つの
災難
(
さいなん
)
で‥‥。』と、
醫者仲間
(
いしやなかま
)
では
嚴格
(
げんかく
)
と
偏屈
(
へんくつ
)
とで
聞
(
きこ
)
えた
玄竹
(
げんちく
)
も、
矢張
(
やは
)
り
醫者全體
(
いしやぜんたい
)
の
空氣
(
くうき
)
に
浸
(
ひた
)
つて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
偏屈
(
へんくつ
)
にさせる心配がおありになるせゐですよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
母屋
(
おもや
)
から離れた二た間の一軒建で、もとは材木小屋の見張りに使った奉公人の住いでしたが、足が不自由で少し
偏屈
(
へんくつ
)
で、学問にばかり
凝
(
こ
)
っている勇次郎は
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それより英書でも質に入れて芸者から
喇叭節
(
らっぱぶし
)
でも習った方が
遥
(
はる
)
かにましだとまでは気が付いたが、あんな
偏屈
(
へんくつ
)
な男はとうてい猫の忠告などを聴く
気遣
(
きづかい
)
はないから
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もともと芸人社会は
大好
(
だいすき
)
な趣味性から、お豊の
偏屈
(
へんくつ
)
な思想をば攻撃したいと心では思うもののそんな事からまたしても長たらしく「先祖の位牌」を論じ出されては
堪
(
たま
)
らないと
危
(
あやぶ
)
むので
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
友
(
とも
)
とし
樂
(
たのし
)
みゐるこそ樂みなれと
最
(
いと
)
物堅き長三郎が
回答
(
いらへ
)
に
膠
(
にべ
)
なく
言放
(
いひはな
)
すに忠兵衞今は
詮方
(
せんかた
)
なく是ほど迄に勸めるに
承引
(
うけひく
)
景状
(
けしき
)
あらざるは世に
偏屈
(
へんくつ
)
なる若旦那と
霎時
(
しばし
)
呆
(
あき
)
れて居たりしが
屹度
(
きつと
)
意
(
こゝろ
)
に思ひ附く事や有けん
膝
(
ひざ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
店口にぼんやりしてゐるのは、内儀の弟の駒吉、八五郎の報告で
偏屈
(
へんくつ
)
人とは聞きましたが、無愛想ではあるにしても見たところいかにも恰幅のいゝ、
柔和
(
にうわ
)
な顏の男です。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何でも年賀の客を受けて酒の相手をするのが厭らしい。人間もこのくらい
偏屈
(
へんくつ
)
になれば申し分はない。そんなら早くから外出でもすればよいのにそれほどの勇気も無い。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「書物は商買道具で仕方もござんすまいが、よっぽど
偏屈
(
へんくつ
)
でしてねえ」迷亭はまた別途の方面から来たなと思って「偏屈は少々偏屈ですね、学問をするものはどうせあんなですよ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
滅多に俗人とは口もきかないといふ恐ろしい
偏屈
(
へんくつ
)
人になつてしまつてゐるのでした。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三年前に父親が死んで私が引取つたのですが——尤も父親といふのは
偏屈
(
へんくつ
)
者で、
身上
(
しんしやう
)
を潰した時、店も家藏も、皆んな私が引取つてやつたのを、私が買ひつぶしでもしたやうに思つて
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「二郎、学者ってものは
皆
(
みん
)
なあんな
偏屈
(
へんくつ
)
なものかね」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「皆、信用がおけます。
甥
(
をひ
)
の與之助は少し
偏屈
(
へんくつ
)
ですが、無類の正直者で、手代の直次郎は男が好いので、少し浮氣つぽいところがありますが——あ、この二人は川へ落ちて、半死半生の目に逢つた方でした」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
偏
常用漢字
中学
部首:⼈
11画
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
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偏屈人