人好ひとず)” の例文
「ああ、よくできた。人好ひとずきのするかおだな。」と、いつしか、そばにきてっていた番頭ばんとうが、感心かんしんしていったのであります。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて電車通でんしやどほりいへけんかりると、をとこ国元くにもとから一よめつたことのある出戻でもどりのいもうとに、人好ひとずきのよくないむづかしい母親はゝおやとがたゝめ
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
たいていの女であったら、気味きみわるがって顔をそむけそうな、すこぶる人好ひとずきのわるい男だ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
馬鹿ばかさわぎもせねば串談じやうだんも三ちやんのやうではけれど、人好ひとずきのするは金持かねもち息子むすこさんにめづらしい愛敬あいけうなん御覽ごらんじたか田中屋たなかや後家ごけさまがいやらしさを、あれでとしは六十四
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼女かのぢよ病院びやうゐん生活せいくわつつてから三年目ねんめあきに、ある地方ちはうから一人ひとりわか醫者いしやて、その病院びやうゐん醫員いゐんになつた。かれ所謂いはゆる人好ひとずきのするをとこで、こと院内ゐんない看護婦達かんごふたちをすぐになづけてしまうことが出來できた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「あんな人好ひとずきのするをねエ」