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ひとず
「ああ、よくできた。
人好きのする
顔だな。」と、いつしか、そばにきて
立っていた
番頭が、
感心していったのであります。
やがて
三ノ
輪の
電車通に
家一
軒借ると、
男の
国元から一
度嫁に
行つたことのある
出戻りの
妹に、
人好きのよくない
気むづかしい
母親とが
出て
来たゝめ
たいていの女であったら、
気味わるがって顔をそむけそうな、すこぶる
人好きのわるい男だ。
馬鹿さわぎもせねば
串談も三ちやんの
樣では
無けれど、
人好きのするは
金持の
息子さんに
珍らしい
愛敬、
何と
御覽じたか
田中屋の
後家さまがいやらしさを、あれで
年は六十四
彼女が
病院生活に
入つてから三
年目の
秋に、ある
地方から
一人の
若い
醫者が
來て、その
病院の
醫員になつた。
彼は
所謂人好きのする
男で、
殊に
院内の
看護婦達をすぐに
手なづけてしまうことが
出來た。