不和ふわ)” の例文
されば夫婦の間は、何時か不和ふわになツて、父はぎやく待する、母は反抗する、一粉統ごだ/\としと共につのるばかりであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
カピ長 むすめならべてロミオどのゝ黄金こがねざうをもまうそう、たがひの不和ふわ憫然ふびん犧牲いけにえ
愛の名こそ私達の間では不和ふわの種なんです——若しそれを實現させるとしたら、私達はどうすればいゝでせう? どう考へたらいゝのでせう? ねえ、私の親愛なセント・ジョン
もとむることはせずとそれ平生へいぜいことばなるもの盡未來じんみらいこの不和ふわなかけるはずなし數代すだいつゞきし兩家りやうけのよしみ一朝いつてうにしてやさんこと先祖せんぞ遺旨ゐしにもたがふことなりひとともわらはんとも
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最後さいごにアイヌの爲に北海道の地よりさらに北方に追ひ遣られたるならんと考へらるアイヌとはコロボックルとかつて平和の交際かうえきをも爲したりしと云ふに如何いかにして、不和ふわを生じて相別かるるに至りしか。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
不和ふわのあひだに身をしよして
『悲しき玩具』を読む (新字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
不和ふわのあひだに身をしょして
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
主税之助不得心とあらば右等の事に付主從しうじうなか不和ふわに罷り成しと相見たりと有しかば左仲も理の當然たうぜんゆゑ是非ぜひなく御意ぎよいの通りと申けるに又居間ゐまの金子百兩紛失ふんじつせし趣き是は郷右衞門すけ十郎兩人の其夜逐電ちくでんの事故彼の金子は渠等かれら兩人がぬすみ取し事と主税之助始め皆々うたがふと見えたりと申さるゝに御意ぎよいの如く此金子ばかりは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)