『悲しき玩具』を読む『かなしきがんぐ』をよむ
石川啄木君は、齢三十に至らずして死なれた。『一握の砂』と『悲しき玩具』との二詩集を明治の詞壇に寄与した許りで死なれた。 石川君とは鴎外博士宅に毎月歌会のあつた頃、幾度も幾度も逢つた筈である。処が八度の近視眼鏡を二つ掛ける吾輩は、とう/\其顔 …