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一瞬
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いっしゅん
ふりがな文庫
“
一瞬
(
いっしゅん
)” の例文
ぼくは
一瞬
(
いっしゅん
)
、
度胆
(
どぎも
)
を
抜
(
ぬ
)
かれましたが、こんな景色とて、これが、あの背広を失った晩に見たらどんなにつまらなく見えたでしょうか。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
柳吉は反対側の
壁
(
かべ
)
にしがみついたまま
離
(
はな
)
れず、口も利けなかった。お
互
(
たが
)
いの心にその時、えらい駈落ちをしてしまったという
悔
(
くい
)
が
一瞬
(
いっしゅん
)
あった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
もっとも、この疑いはほんの
一瞬
(
いっしゅん
)
だった。かれはいそいでそれを打ち消したし、疑いそのものが、あとまでながくかれを苦しめたわけではなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
それもほんの
一瞬
(
いっしゅん
)
のこと、すぐに闇は青びかりを
押
(
お
)
し
戻
(
もど
)
し、花の像はぼんやりと白く大きくなり、みだれてゆらいで、時々は
地面
(
じめん
)
までも
屈
(
かが
)
んでいました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一瞬
(
いっしゅん
)
、部屋のなかは、シーンとしずまりかえった。あまり意外な机博士の言葉に、木戸も、波立二も、仙場の甲二郎も、
呆気
(
あっけ
)
にとられてポカンとしていた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
片道八キロ、
大人
(
おとな
)
のことばで二里という道のりは、一年生の足の経験でははかりしれなかった。とほうもない遠さであり、海の上からは
一瞬
(
いっしゅん
)
で見わたす近さでもある。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
思出の記は
一瞬
(
いっしゅん
)
の
水煙
(
みずけむり
)
を立てゝ印度洋の
底深
(
そこふか
)
く沈んで往ったようであったが、彼小人菊池慎太郎が果して
往生
(
おうじょう
)
したや否は疑問である。印度洋は妙に人を死に
誘
(
さそ
)
う処だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
子路は
一瞬
(
いっしゅん
)
耳を疑った。この窮境に在ってなお驕るなきがために楽をなすとや? しかし、すぐにその心に思い
到
(
いた
)
ると、
途端
(
とたん
)
に彼は嬉しくなり、覚えず
戚
(
ほこ
)
を執って
舞
(
ま
)
うた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
おや、まあ、横たわっているのは、なんでしょう?
一瞬
(
いっしゅん
)
、アンネ・リスベットは、ぎょっとしました。けれども、よくよく見れば、べつに、びっくりするほどのものではありません。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ふいをうたれた
巡査
(
じゅんさ
)
は、
一瞬
(
いっしゅん
)
たじろいだが、
猛然
(
もうぜん
)
と男にくみついていった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ただ父の手が私を
押
(
お
)
しのけているような感じが、しょっちゅうあって、それが
邪魔
(
じゃま
)
になったのだ! その代り、父さえその気になれば、ほとんど
一瞬
(
いっしゅん
)
にして、ただの
一言
(
ひとこと
)
、ただの一動きでもって
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と、坂本さんが、ぼくの
肩
(
かた
)
を
叩
(
たた
)
き、「秋子ちゃんからじゃないか」と笑いながら、言います。皆の顔が、
一瞬
(
いっしゅん
)
、
憎悪
(
ぞうお
)
に
歪
(
ゆが
)
んだような気がしました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
(
一瞬
(
いっしゅん
)
百
由旬
(
ゆじゅん
)
を飛んでいるぞ。けれども見ろ、少しも
動
(
うご
)
いていない。少しも動かずに
移
(
うつ
)
らずに変らずにたしかに一瞬百由旬ずつ翔けている。実にうまい。)
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
荒田老は、しかし、眼がよく見えないせいか、黒眼鏡の方向を一点に
釘
(
くぎ
)
づけにしたまま、びくとも動かなかった。
一瞬
(
いっしゅん
)
、場内の空気が、くすぐられたようにゆらめいた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
が、このときどこからともなく煙がふきだしたと思ったら、カーテンが
一瞬
(
いっしゅん
)
に
焔
(
ほのお
)
と化した。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
茫々
(
ぼうぼう
)
たる過去と、
漠々
(
ばくばく
)
たる未来の間に、
斯
(
この
)
一瞬
(
いっしゅん
)
の現今は楽しい
実在
(
じつざい
)
であろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恐怖
(
きょうふ
)
の
一瞬
(
いっしゅん
)
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そこでは、あらゆることが
可能
(
かのう
)
である。人は
一瞬
(
いっしゅん
)
にして
氷雲
(
ひょううん
)
の上に
飛躍
(
ひやく
)
し
大循環
(
だいじゅんかん
)
の風を
従
(
したが
)
えて北に
旅
(
たび
)
することもあれば、赤い
花杯
(
はなさかずき
)
の下を行く
蟻
(
あり
)
と
語
(
かた
)
ることもできる。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一瞬
(
いっしゅん
)
、船は
停
(
とま
)
り、時も停止し、ただ、この上もなく、じいんと
碧
(
あお
)
い空と、碧い海、暖かい碧一色の空間にぼくは
溶
(
と
)
け込んだ気がしたが、それも
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
、ぼくは誰かにみられるのと
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
一瞬
(
いっしゅん
)
、足下が水にうかぶ木の葉のようにゆれるのをかんじたが、つぎの瞬間、こわごわカーテンのかげから顔をだしてみると、こはそもいかに、木戸も仙場甲二郎も、小男も猫女も立花カツミ先生も
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恭一も次郎も、
一瞬
(
いっしゅん
)
息をつめて、その人影を
凝視
(
ぎょうし
)
した。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
“一瞬”の解説
「一瞬」(いっしゅん)は、1998年11月6日にポニーキャニオンから発売された、工藤静香の通算33枚目となるシングル。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
瞬
常用漢字
中学
部首:⽬
18画
“一瞬”で始まる語句
一瞬時
一瞬間