トップ
>
一巻
>
ひとまき
ふりがな文庫
“
一巻
(
ひとまき
)” の例文
旧字:
一卷
と叫んで、女房桟敷の方へ、唐織物
一巻
(
ひとまき
)
を投げていた。それが宙で解けて、女房たちの手の上で虹を描いたので、わっと、人々が
囃
(
はや
)
したりした。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若布
(
わかめ
)
のその幅六丈、長さ十五
尋
(
ひろ
)
のもの、百枚
一巻
(
ひとまき
)
九千連。
鮟鱇
(
あんこう
)
五十袋。
虎河豚
(
とらふぐ
)
一頭。大の
鮹
(
たこ
)
一番
(
ひとつがい
)
。さて、別にまた、月の
灘
(
なだ
)
の桃色の枝珊瑚一株、丈八尺。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
画工はまた
予
(
あらかじ
)
め
其心
(
そのこころ
)
して、我を伴ひ
入
(
い
)
りぬ。先づ蝋燭一つ
点
(
とも
)
し、一つをば
猶
(
なほ
)
衣
(
ころも
)
のかくしの中に
貯
(
たくは
)
へおき、
一巻
(
ひとまき
)
の
絲
(
いと
)
の端を入口に結びつけ、さて我手を引きて進み入りぬ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私がもっている
古裂
(
ふるぎ
)
れに、
中巾
(
ちゅうはば
)
の絹縮みに唐人が体操をしている図柄の
更紗
(
サラサ
)
がある。それを
一巻
(
ひとまき
)
もって来て、私の着物の
無垢
(
むく
)
に仕立たのも金兵衛さんの秀造おじさんである。
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
我等おろかなれども、年ごろ子としていかで父母が名を顕さであるべきと思へるに、このささやかなる
一巻
(
ひとまき
)
とても、おのづから父が歌の
片端
(
かたはし
)
を世に
出
(
いだ
)
すよすがとはならざらんや。
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
▼ もっと見る
「今日も昨日も
一昨日
(
おとつい
)
も、もうかれこれ十日余りも、お邸方へ参上致し、さまざまご
贔負
(
ひいき
)
にあずかりましたが、この布ばかりは買っていただけず、
一巻
(
ひとまき
)
だけ残りましてございます」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それから、もうひとつの方は、近所の店で求めて来た品らしく、
一巻
(
ひとまき
)
の奈良
晒布
(
ざらし
)
を出して、これで肌着と腹巻と
下紐
(
したひも
)
とを急に縫ってもらいたいという。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取
(
と
)
ると、……むら/\と
一巻
(
ひとまき
)
、
渦
(
うづ
)
を
巻
(
ま
)
くやうに
成
(
な
)
つて、
湯気
(
ゆげ
)
が、
鍋
(
なべ
)
の
中
(
なか
)
から、
朦
(
もう
)
と
立
(
た
)
つ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
賢俊はそれの
奉書
(
ほうしょ
)
と、それに添えられた錦の旗の
一巻
(
ひとまき
)
とを、両の手に持ち添えて、すこし前へ身をすすめる。尊氏は無言のまま拝受してあとへさがった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
侍女三 (公子の背後にあり)若布のその幅六丈、長さ十五尋のもの百枚
一巻
(
ひとまき
)
九千連。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金を出して、
通船楼
(
つうせんろう
)
のおかみさんは、
唐桟
(
とうざん
)
の
一巻
(
ひとまき
)
を、自分の後ろへころがした。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青田の
高低
(
たかひく
)
、
麓
(
ふもと
)
の
凸凹
(
でいり
)
に従うて、
柔
(
やわら
)
かにのんどりした、この
一巻
(
ひとまき
)
の布は、朝霞には白地の
手拭
(
てぬぐい
)
、夕焼には
茜
(
あかね
)
の襟、
襷
(
たすき
)
になり帯になり、
果
(
はて
)
は
薄
(
すすき
)
の
裳
(
もすそ
)
になって、今もある通り、村はずれの
谷戸口
(
やとぐち
)
を
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“一巻”の意味
《名詞》
一冊の書物。一本のフィルム。
書物などの最初の巻。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
巻
常用漢字
小6
部首:⼰
9画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥