“まさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マサキ
語句割合
柾木35.5%
正木25.8%
12.9%
眞拆6.5%
真幸3.2%
眼先3.2%
昌木3.2%
正樹3.2%
眞前3.2%
真先3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
溝際には塀とも目かくしともつかぬ板と葭簀とが立ててあって、青木や柾木まさきのような植木の鉢が数知れず置並べてある。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この女神は日蔭ひかげかづらを襷にかけ、正木まさきかづらの鉢卷をして、笹の葉を手に持ち、足拍子を取りながら扉の前で踊り出すといふ滑稽さであつた。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
津軽つがる・秋田その他ではこれをマサツケギ、またはタウチケゲとも謂っている。唐附木とうつけぎというからには前からの附木もあったのであるが、それにはこのようなまさきを使うには及ばなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
眞拆まさきかずらかずらとして、天のカグ山の小竹ささの葉をたばねて手に持ち、天照らす大神のお隱れになつた岩戸の前におけせて踏み鳴らし神懸かみがかりして裳の紐をほとに垂らしましたので、天の世界が鳴りひびいて
真幸まさきくあらばまたかへりみむ」と強い感慨を漏らされたが、痛切複雑な御心境を、かく単純にあらわされたのに驚いたのであるが、此歌になると殆ど感慨的な語がないのみでなく
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また、穂積朝臣老ほづみのあそみおゆが近江行幸(養老元年か)に供奉ぐぶした時の「吾が命し真幸まさきくあらばまたも見む志賀の大津に寄する白浪」(巻三・二八八)もあるが、皇子の歌ほど切実にひびかない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
牡丹の弁なごしくつつむ靄すらや我が眼先まさきには揺れてくるしき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
短日たんじつふる眼先まさきしゆびし童女像ありて暮れてゆきにけり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのとき博士のとなりに居るK大学の昌木まさき教授が何事か博士に向って尋ねているようである。博士は、じいと正面を向いたまま答えない。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
神主かんぬし宮氏の家に貞和ぢやうわ文明ぶんめいの頃の記録きろく今にそんせり。当主たうしゆ文雅ぶんがこのみ吟詠ぎんえいにもとめり、雅名がめい正樹まさきといふ。同好どうこうを以てまじはりおさむ。幣下へいしたとなふ社家しやけ諸方しよはうにあまたある大社也。
大皇おほきみしこの御楯といふものはかかるものぞと進め眞前まさきに (同)
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
真先まさきにはむかしながらの巻毛の大仮髪おおかずらをかぶりたる舎人とねり二人、ひきつづいて王妃両陛下、ザックセン、マイニンゲンのよつぎの君夫婦、ワイマル、ショオンベルヒの両公子
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)