まさき)” の例文
広栄は後の煙草たばこけて庭の方へやるともなしに眼をやった。白沙を敷いた広い庭には高野槇こうやまきがあり、えのきがあり、かえでがあり、ぼくになったまさきなどがあって微陽うすびが射していた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
津軽つがる・秋田その他ではこれをマサツケギ、またはタウチケゲとも謂っている。唐附木とうつけぎというからには前からの附木もあったのであるが、それにはこのようなまさきを使うには及ばなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
此間こねえだまで頭ア蝶々見たように結って、まさきやわらっこい葉でピイ/\をこしらえて吹いてたのが、此様こんでかくなって、綺麗な情夫おとこを連れて突走つッぱしって来たか、自分の年いったのは分んねえが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おらアお作が多助へ送ったぶんだが、馬鹿なマア此間こねえだまで、青鼻あおっぱなアくったらして、まさきの葉で笛を拵えて遊んで居たのがハア、こんな事を仕出かすように成ったかえ、ナント馬鹿々々しい事だがのおかめさん
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)