“杉柾”の読み方と例文
読み方割合
すぎまさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高さ二尺あまりほどのものである。杉柾すぎまさの緑と白い紙の色との調和も、簡素を愛する彼の好みをあらわしていた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まず眸の真上に杉柾すぎまさの天井が見えた。長押なげしには槍、床には紫の杜若かきつばた白衣びゃくえ観世音の軸へ、切り窓から朝か夕かわからぬが、とにかくこの世の光が射していた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
精巧な用箪笥ようだんすのはめ込まれた一けんの壁に続いた器用な三尺床に、白菊をさした唐津焼からつやきの花活はないけがあるのも、かすかにたきこめられた沈香じんこうのにおいも、目のつんだ杉柾すぎまさの天井板も
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)