“こたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
個躰18.2%
鼓隊18.2%
固體9.1%
古体9.1%
古苔9.1%
固体9.1%
固蔕9.1%
箇体9.1%
虎態9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千蔵のからだはひくっと痙攣ひきつり、片ほうの膝と右手とが一種の運動を起こしかけた、これは意識の支配を受けない純粋の筋反射であって、交感神経の鋭敏な個躰こたいには特に著しくみられる現象の一つである。
評釈勘忍記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その壮観に加えて、南蛮王孟獲もうかくもまた、眷族けんぞくをあげて、扈従こじゅうに加わり、もろもろの洞主どうしゅ酋長しゅうちょうたちも、鼓隊こたいをつれ、美人陣を作って、瀘水ろすいのほとりまで見送ってきた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火山かざん噴出物ふんしゆつぶつ固體こたいほかおほくの氣體きたいがある。水蒸氣すいじようき勿論もちろん炭酸瓦斯たんさんがす水素すいそ鹽素えんそ硫黄いおうからなる各種かくしゆ瓦斯がすがあり、あるものはえてあをひかりしたともいはれてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もつと山麓さんろくちかづくにしたがひ、温度おんどくだつひには暗黒あんこく固體こたいとなつてはやさもにぶつたけれども。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
放翁ほうおう古体こたい今体こんたいを混じて千以上の詩篇を作りしに非ずや。ただ驚くべきは蕪村の作が千句ことごとく佳句なることなり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
古苔こたい蒸し尽して英雄の遺魂日に月に寒し。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
この生物は、もし地球上で大きくなったとしたら、必ず人間や猿のように固体こたいとなるべきものであるが、月世界の圧力と熱との関係で、液体を保って成長したのである。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
諸老臣の深根固蔕こたいの議をウフンと笑ったところは政宗も実に好い器量だ、立派な火の玉だましいだ。ところが此の火の玉より今少しく大きい火の玉が西の方より滾転こんてん殺到して来た。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ちゅうに眼をつりあげて見ると、夕陽ゆうひにきらきらしてほしがまわってくるかと思うばかりな一箇体こたい金輪かなわふちから、雨かきりか、独楽の旋舞せんぶとともにシューッと時ならぬ村雨むらさめのような水ばしりがして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広額こうがく濶面かつめん、唇はたんのようで、眉は峨眉山がびさんの半月のごとく高くして鋭い。熊腰ゆうようにして虎態こたい、いわゆる威あってたけからず、見るからに大人の風を備えている。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)