“こうろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウロ
語句割合
香炉68.5%
行路13.7%
航路4.1%
鉱炉2.7%
香爐2.7%
香露2.7%
巷路1.4%
洪爐1.4%
航海1.4%
1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
インド人の前の壁には、なんだか魔物みたいなおそろしい仏像の絵がかかって、その前の台の上には大きな香炉こうろが紫色の煙をはいています。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ふしぎな独楽こま乱舞らんぶを、かれの技力ぎりょくかと目をみはる往来おうらいの人や行路こうろ閑人ひまじんが、そこでバラバラとぜに拍手はくしゅを投げる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このほかイタリーにはシシリーとうにエトナ火山かざんたか三千二百七十四米さんぜんにひやくしちじゆうしめーとる)があり、以上いじようイタリーの四火山しかざん、いづれもわが日本郵船會社につぽんゆうせんかいしや航路こうろあたつてゐるので
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
鉱炉こうろ紅舌こうぜつさながらに
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
午後は田圃たんぼ伝いに船橋ふなばしの方に出かける。門を出ると、墓地で蛇を見た。田圃の小川のいびの下では、子供がふなって居る。十丁そこら往って見かえると、吾家も香爐こうろいえ程に小さくかすんで居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ところで、この仙境は、その日とつぜん、眼をさましたように、一山の鐘台しょうだいから鐘の音をゆり起した。木々は香露こうろをふりこぼし、園の仙鶴は羽バタき、全山の禽獣きんじゅうも、一せいに驚き啼いた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう一つの理由はトンネル横町と呼ばれる変った巷路こうろを通りいためでもある。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
或るときは共に舟にさをさして青海原を渡り、烟立つヱズヰオの山に漕ぎ寄せつるに、山はまたく水晶より成れりと覺しく、巖の底なる洪爐こうろ中に、けぶり渦卷うづまき火燃え上るさまたなぞこに指すが如くなり。
喜望峯を迂回して行く船の幾度いくたびか恐しき目に遭いし事は、今なお世人の記憶せる処ならん、しかるにスエズ運河の通じて以来、普通の船舶にてこの航海こうろを取るものはきわめてまれに
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
身の上のことをく者は、香をこうろいて再拝した。巫は傍から空間を見つめて代っていのった。その祝るくちびるが閉じたり開いたりしているが何をいっているか解らなかった。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)