“いひがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
云難50.0%
言難50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
入りつ出でつゆらめく男女の影は放蕩の花園にたはむれ舞ふ蝶に似て、折々流れきたる其等の人の笑ふ声語る声は、云難いひがた甘味かんみを含む誘惑の音楽に候はずや。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
つとむる者の心得は萬事かくの如し此事我々のうへにある時は自然しぜん面倒めんだうなりとて他人ひとの物にても錠前ぢやうまへたゝあけよなど云事なしとも云難いひがたかりにも錠前ぢやうまへを破るは關所せきしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いひにける物語二枝ふたつわか不題こゝにまた忠兵衞は主命なれば詮方なくいと云難いひがたき事の由を親子の者に云傳へ其所そこをばにげも出せしが追掛おひかけらる事もやとこゝろの恐れに眞暗まつくら散方さんばう跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扨又長兵衞は八五郎が掛合かけあひを聞き番頭さんには一おう御道理ごもつともの樣なれ共決しておや亭主ていしゆ見捨みすてたと云譯いひわけにてはなくよめの方にもよく/\居耐納ゐたたまれぬわけある故也八五郎の娘ばかり惡きとも云難いひがたく夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そんな思をしつつ何為なぜしてゐるか! いは言難いひがたしで、精神的にひどきずつけられた反動と、思召おぼしめして下さいまし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
報じ度は思へども流石さすが打明うちあけて主人にも言難いひがた譯合わけあひなれば一人心をくるしめ居たりしが馬鹿ばかほどこはきものはなしとのことわざの通り宅兵衞は思ひつめてや或時主人にも告ずして大岡越前守殿の役宅やくたくへ右の仔細しさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ころされさぞ愁傷しうしやうならん併し屹度きつと傳吉が殺せし共言難いひがたからんして猿島河原より寶田村へ道程みちのりは何程あるやと申さるゝにお早は憑司がこたへを待たず四十町許是ありと申立れば越前守殿又其日子供は何時頃いつごろ宅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
願ひ奉つると委細ゐさい白状に及びしかば大岡殿神妙しんめうなりと有て又お深に向はれ只今たゞいま九郎兵衞が申通り相違なきやと尋問たづねらるゝに最早一ごん強情がうじやう言難いひがたく恐れ入たりと申にぞ大岡殿夫れ見よ天にまなこなしと雖も是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)