言難いひがた)” の例文
そんな思をしつつ何為なぜしてゐるか! いは言難いひがたしで、精神的にひどきずつけられた反動と、思召おぼしめして下さいまし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
報じ度は思へども流石さすが打明うちあけて主人にも言難いひがた譯合わけあひなれば一人心をくるしめ居たりしが馬鹿ばかほどこはきものはなしとのことわざの通り宅兵衞は思ひつめてや或時主人にも告ずして大岡越前守殿の役宅やくたくへ右の仔細しさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ころされさぞ愁傷しうしやうならん併し屹度きつと傳吉が殺せし共言難いひがたからんして猿島河原より寶田村へ道程みちのりは何程あるやと申さるゝにお早は憑司がこたへを待たず四十町許是ありと申立れば越前守殿又其日子供は何時頃いつごろ宅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
願ひ奉つると委細ゐさい白状に及びしかば大岡殿神妙しんめうなりと有て又お深に向はれ只今たゞいま九郎兵衞が申通り相違なきやと尋問たづねらるゝに最早一ごん強情がうじやう言難いひがたく恐れ入たりと申にぞ大岡殿夫れ見よ天にまなこなしと雖も是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)