“あさはか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
浅墓42.7%
浅慮27.3%
浅薄13.6%
淺墓4.5%
浅果3.6%
淺薄2.7%
淺果0.9%
浅膚0.9%
浅捗0.9%
浅果敢0.9%
淺慮0.9%
淺果敢0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひどい封建時代に生れた搾取さくしゅ時代の民器に、何の美があり得ようというのである。これは誠に実情を知らない者の浅墓あさはかな非難に過ぎない。
改めて民藝について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
牢屋へ入れられたのです。浅慮あさはかな奴であまりやりすぎたので到頭神罰が下ったのですね。……八ヵ月して裁判になりました。
女房ども (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「平次とやら、いちいちもっとも——その方の申すことは道理だ。金ずくで済まそうと思った私の浅薄あさはかさを勘弁してくれ」
併しこんな淺墓あさはかな女の巧みの底にも人の母として我子を思ふ愛の泉の潜んで流れてゐることを、Kのをぢさんも認めないわけには行かなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
私なんぞが浅果あさはかな智恵を以て未来の事を考えても決して解るものでないそうですからかえって考えない方が楽でございますよ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
こんな言葉が今度は女の方から出たけれども今の義男はそれ程のかどを持つてゐなかつた。女が派出な舞臺へ出るといふ事に、女へ對するある淺薄あさはかな興味をつないで見る氣にもなつてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
おこし我が子の爲と存ずる淺猿あさましき心偖々さて/\苦々にが/\しき所爲しわざなりかく淺果あさはかなる惡事何として其身ののぞみを遂ることなるべきや因て其許も能々よく/\我身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
張上られコリヤ平左衞門これまで主税之助が爲せし惡事あくじは皆汝がすゝめし處ならんしかし汝程の惡才あくさい有者が何故又島が死骸しがいの始末はかく淺果あさはかなる工夫をなして置捨おきすてに致したるやと申されければ平左衞門此ことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
浅膚あさはかな邪推とは言ひながら、人をふるも太甚はなはだしい! 失敬千万な、気を着けて口をおきなさい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さあ、貴方、今何と有仰おつしやつたので御座います、浅膚あさはかな邪推ですつて? 貴方こそも少し気を着けてお口をおき遊ばせな、貴方も男子でゐらつしやるなら、何為なぜ立派に、その通だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それはもう女は浅捗あさはかな者にきまつてゐますけれど、気が移るの何のと云ふのは、やつぱり本当にれてゐないからです。心底から惚れてゐたら、ちつとも気の移るところは無いぢや御座いませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何かひどく気のいた風を示さうとでもするやうな浅果敢あさはか悧巧りかうさだと思はれて、わざとらしい其の調子が何うにもたまらない気がしたのであつた。
風呂桶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
知ざるいと淺慮あさはかな思し召和君あなた戸外おもてへもお出なさらずうちのみ居て書物ばかり讀で御座るが上もなき親不孝にて御座りませうと言はれて此方こなた面色めんしよくかへコレ忠兵衞和郎そなたは氣でもちがひしか學問もせず遊び歩行あるかば親不孝共もいふけれど吾儕わしは性來好でもありすゝめられても遊には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お光はさういふ時、タバコのことよりも、郡參事會なぞを鼻にかけて、土地の勢力家顏をする旦那の淺果敢あさはかな容子が、厭やでならなかつた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)