淺墓あさはか)” の例文
新字:浅墓
恐ろしい平次の明智に打ちひしがれて、淺墓あさはかな細工をした自分が耻かしくなつたのでせう。お藤は默つて首を垂れました。
併しこんな淺墓あさはかな女の巧みの底にも人の母として我子を思ふ愛の泉の潜んで流れてゐることを、Kのをぢさんも認めないわけには行かなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「無學で、淺墓あさはかで、虚榮心の強いものは仕やうがない」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
家に居る者が怪しいとなると、手代、下女、下男、それからお前も俺も、聟の錦太郎も怪しくなる、——こいつはそんな淺墓あさはかたくらみぢやあるめえ。
主人御名前を隱しをはせたと思つたのが拙者の淺墓あさはかさだ、——それは兎も角、あの謎の文句を、立歸つて主人主計樣に御目にかけたところ、御病中ながら以ての外の御立腹。