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高々
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たかだか
ふりがな文庫
“
高々
(
たかだか
)” の例文
葉子は狂女のように
高々
(
たかだか
)
と笑った。岡は葉子の物狂おしく笑うのを見ると、それを恥じるようにまっ
紅
(
か
)
になって下を向いてしまった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
坊主頭
(
ぼうずあたま
)
へ四つにたたんだ
手拭
(
てぬぐい
)
を
載
(
の
)
せて、
朝
(
あさ
)
の
陽差
(
ひざし
)
を
避
(
さ
)
けながら、
高々
(
たかだか
)
と
尻
(
しり
)
を
絡
(
から
)
げたいでたちの
相手
(
あいて
)
は、
同
(
おな
)
じ
春信
(
はるのぶ
)
の
摺師
(
すりし
)
をしている八五
郎
(
ろう
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
後
(
うし
)
ろから不意に小供に飛びつく事、——これはすこぶる興味のある運動の
一
(
ひとつ
)
だが
滅多
(
めった
)
にやるとひどい目に逢うから、
高々
(
たかだか
)
月に三度くらいしか試みない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
遠くに行くに従って、いつしかお
伽噺
(
とぎばなし
)
の様なものになって
了
(
しま
)
い、
仮令
(
たとえ
)
附近の都会などに、それが聞えても、
高々
(
たかだか
)
地方新聞の三面を
賑
(
にぎ
)
わす程のことで済んで了いましたが
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼女は今夜は
繍
(
ぬい
)
のある
裳
(
もすそ
)
に
竈
(
かまど
)
の灰を包んでいた。彼女の兄も、——いや彼女の兄ではない。
王命
(
おうめい
)
を奉じた金応瑞は
高々
(
たかだか
)
と
袖
(
そで
)
をからげた手に、
青竜刀
(
せいりゅうとう
)
を一ふり
提
(
さ
)
げていた。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
高々
(
たかだか
)
と山のうへより
目守
(
まも
)
るとき
天草
(
あまくさ
)
の
灘
(
なだ
)
雲とぢにけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
陽
(
ひ
)
は
高々
(
たかだか
)
と
昇
(
のぼ
)
っているらしく、
今
(
いま
)
さら
気付
(
きづ
)
いた
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
には、なだらかな
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
吹矢
(
ふきや
)
で
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
んだように、こまいの
現
(
あらわ
)
れた
壁
(
かべ
)
の
裾
(
すそ
)
へ
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そういって倉地は
高々
(
たかだか
)
と笑った。葉子は妙に笑えなかった。そしてもう一度海のほうをながめやった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
尻
(
しり
)
ッ
端折
(
ぱしょ
)
りの
尾骶骨
(
かめのお
)
のあたりまで、
高々
(
たかだか
)
と
汚泥
(
はね
)
を
揚
(
あ
)
げた
市松
(
いちまつ
)
の、
猫背
(
ねこぜ
)
の
背中
(
せなか
)
へ、
雨
(
あめ
)
は
容赦
(
ようしゃ
)
なく
降
(
ふ
)
りかかって、いつの
間
(
ま
)
にか
人
(
ひと
)
だかりのした
辺
(
あたり
)
の
有様
(
ありさま
)
に、
徳太郎
(
とくたろう
)
は
思
(
おも
)
わず
亀
(
かめ
)
の
子
(
こ
)
のように
首
(
くび
)
をすくめた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
々
3画
“高々”で始まる語句
高々指