まま)” の例文
「おばあが気ままもんでなあ、団子だんごが腹いっぱい食いたかったり、ままを二杯で辛抱ができなんだりしたんじゃ。おばあは若い時大飯食いでなあ」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
どうしてまま食って寝て、まま食って寝て、大きくなったぐらいで、りっぱな和尚さんになれるようなものではありません。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蚊帳釣草かやつりぐさ」の穂の練絹ねりぎぬの如くに細く美しき、「猫じゃらし」の穂の毛よりも柔き、さては「あかまま」の花の暖そうに薄赤き、「車前草おおばこ」の花のさわやか蒼白あおじろ
千代子もく弟の面倒を見てやる。日頃は申分ないが、お向いの秋子さんが遊びに来ると、兎角波瀾が起る。浩二は仲間外なかまはずしにされるから、おかんむりを曲げる。ままごとを始めても
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「火ぁでらたもな。おれぁ二度起ぎで燃やした。さあ、口すすげ、ままでげでら、楢夫。」
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
仰っしゃって、一念しては、一植ひとうえなさってござらっしゃるゆえ、なるほど、それでは田植がおそいはずじゃ——。百姓どもが、そのようなことをしていた日には、ままになりませぬわい
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氷室ひむろ朔日ついたちと云って、わかい娘が娘同士、自分で小鍋立こなべだてのままごとをして、客にも呼ばれ、呼びもしたものだに、あのギラギラした小刀ナイフが、縁の下か、天井か、承塵なげしの途中か、在所ありどころが知れぬ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子供らは男も女も声を張りあげて「大綿来い/\まま食わしょ」と唄った。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
敷居をまたぐと、そこの土間でままごとしていた六つの妙子がポツンと
三月の第四日曜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ほんまにお前にも苦労さすなあ。堪忍かにしてや。しかし、なんやぜ、よそへ貰われるより、こないしてお祖父じいやんと一緒にまま食べる方が、なんぼ良えか判れへんぜ。な、そやろ? そない思うやろ?」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「兵隊さんだけには、白いまま食べさせなかったら、恥だからな。」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
庭さきに雀のあたまがうごいてゐるそれを見ながらままべてゐる
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「そんなものはいりません、早くままが食べたいのです」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ままが食べたきや
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
まませて
第一義の道 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
「おばあさん、早よ豚にままやりいの、豚がぐうぐういいよるがい。早よままくれ、早よ飯くれ、いいよるがい。」
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「そりゃ、和尚さま、まま食って寝て、まま食って寝て、大きくなれば和尚さまのようになれます。」
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夕されば入日血のごとさしつくる監獄ひとやうれしやままべてむ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
とこの間はままごとから現実の希望に話の花が咲いた。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「さあおまま食べし泣ぐな。」
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
まま煮てやろよ
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「こら健、帰にくされいいよんのに帰なんかい! もうままくわさんぞ!」
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「さあ、ままじゃ、飯じゃ」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)