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ふうぶつ
ふりがな文庫
“
風物
(
ふうぶつ
)” の例文
甲の俳人も天地の景勝
風物
(
ふうぶつ
)
を諷詠する、その間に挨拶の意味を
罩
(
こ
)
めて。乙もまたそれに答えて花鳥風月を諷詠する、同じく挨拶の意味を罩めて。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
彼等
(
かれら
)
は
皆
(
みな
)
、この
曇天
(
どんてん
)
に
押
(
お
)
しすくめられたかと
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
、
揃
(
そろ
)
つて
脊
(
せい
)
が
低
(
ひく
)
かつた。さうして
又
(
また
)
この
町
(
まち
)
はづれの
陰慘
(
いんさん
)
たる
風物
(
ふうぶつ
)
と
同
(
おな
)
じやうな
色
(
いろ
)
の
著物
(
きもの
)
を
著
(
き
)
てゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
名所旧蹟地には茶店や料亭は付きもので、またそれが
点景
(
てんけい
)
の
風物
(
ふうぶつ
)
にもなっている。
琵琶亭
(
びわてい
)
などもまさにそんな画中の
水亭
(
すいてい
)
だった。画中の客となった心地である。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地方
(
ちはう
)
は
風物
(
ふうぶつ
)
に
變化
(
へんくわ
)
が
少
(
すくな
)
い。わけて
唯
(
たゞ
)
一年
(
いちねん
)
、もの
凄
(
すご
)
いやうに
思
(
おも
)
ふのは、
月
(
つき
)
は
同
(
おな
)
じ
月
(
つき
)
、
日
(
ひ
)
はたゞ
前後
(
ぜんご
)
して、——
谿川
(
たにがは
)
に
倒
(
たふ
)
れかゝつたのも
殆
(
ほとん
)
ど
同
(
おな
)
じ
時刻
(
じこく
)
である。
娘
(
むすめ
)
も
其處
(
そこ
)
に
按摩
(
あんま
)
も
彼處
(
かしこ
)
に——
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御米
(
およね
)
も
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
に
綿
(
わた
)
の
入
(
い
)
つた
重
(
おも
)
いものを
脱
(
ぬ
)
ぎ
棄
(
す
)
てゝ、
肌
(
はだ
)
に
垢
(
あか
)
の
觸
(
ふ
)
れない
輕
(
かる
)
い
氣持
(
きもち
)
を
爽
(
さわ
)
やかに
感
(
かん
)
じた。
春
(
はる
)
と
夏
(
なつ
)
の
境
(
さかひ
)
をぱつと
飾
(
かざ
)
る
陽氣
(
やうき
)
な
日本
(
にほん
)
の
風物
(
ふうぶつ
)
は、
淋
(
さむ
)
しい
御米
(
およね
)
の
頭
(
あたま
)
にも
幾分
(
いくぶん
)
かの
反響
(
はんきやう
)
を
與
(
あた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
と、芭蕉が
弟子
(
でし
)
を送る心を陳べると同時に東海道の
風物
(
ふうぶつ
)
を思い浮べたのである。そうすると乙州は自分の身を振返って
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
“風物”の意味
《名詞》
風物(ふうぶつ)
季節の物。
季節ごとの眺め。風景。景色。
(出典:Wiktionary)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“風物”で始まる語句
風物教授