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頃合
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ころあい
ふりがな文庫
“
頃合
(
ころあい
)” の例文
九月の終り頃、この契約をしておくと、翌年の五月頃までずっと、
頃合
(
ころあい
)
を見はからってタンク車がやってきて、重油を補給してくれる。
ウィネッカの秋
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
庭や
畠
(
はたけ
)
で遊ぶと叱られるから田へ行くだけでなく、全く
刈田
(
かりた
)
の
頃合
(
ころあい
)
の柔かさを、
捜
(
さが
)
してでも子どもはそこへ集まったのである。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
肉片の適当に分解したところを捕らえた
烹調
(
ほうちょう
)
の旨味は、昔の料理書にある熟して燗せず、肥にして喉ならず、といった
頃合
(
ころあい
)
ではないかと思う。
海豚と河豚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
頃合
(
ころあい
)
をはかって、善ニョムさんは寝床の上へ、ソロソロ起きあがると、
股引
(
ももひき
)
を
穿
(
は
)
き、野良着のシャツを着て、それから
手拭
(
てぬぐい
)
でしっかり
頬冠
(
ほおかむ
)
りした。
麦の芽
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
暫
(
しばら
)
く時間を置いて、
丁度
(
ちょうど
)
A液がうまく浸みこんだ
頃合
(
ころあい
)
を見はからって、こんどはB液の入ったB種弾が投下されるのだ。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
ある日二人は、例によって
睦
(
むつま
)
じく連れそいながら、
牛込辺
(
うしごめあたり
)
の売邸を探しに歩いた。すると一軒
頃合
(
ころあい
)
の家が見つかった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
はいって見れば臭味もそれほどでなく、ちょうど
頃合
(
ころあい
)
の温かさで、しばらくつかっているとうっとりして頭が空になる。おとよさんの事もちょっと忘れる。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
獅子のごとき
鬣
(
たてがみ
)
で肩を覆える老猴ども前に立ち、
頃合
(
ころあい
)
の岩ごとに上って前途を見定む、また隊側に斥候たるあり、隊後に
殿
(
しんがり
)
するあり、いずれも用意極めて周到
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
驚破
(
すわ
)
、そのまぎれに、見物の
群集
(
ぐんじゅ
)
の中から、
頃合
(
ころあい
)
なものを
引攫
(
ひきさら
)
つて、空からストンと、
怪我
(
けが
)
をせぬやうに
落
(
おと
)
いた。が、
丁度
(
ちょうど
)
西の丸の
太鼓櫓
(
たいこやぐら
)
の下の空地だ、
真昼間
(
まっぴるま
)
。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
判ったようでまた判らないようなのが、ちょうど持って来いという一番結構な
頃合
(
ころあい
)
なんですからね。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
床下に
潜
(
ひそ
)
んで、
頃合
(
ころあい
)
を計っていた九鬼弥助は、ふところから用意の
呼笛
(
よびこ
)
を出して口にくわえた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから
頃合
(
ころあい
)
を見計らって閣下に事情を打ち明けたら、直ぐに引受けてくれたのである。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
本箱らしい黒塗の
剥
(
は
)
げた
頃合
(
ころあい
)
の高さの箱が腰掛ともなりランプ台ともなるらしかった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
シヅは、そっと戸口のほうへ行って、
頃合
(
ころあい
)
をはかりながら、だしぬけにドアをあけた。
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その文庫というのは、
頃合
(
ころあい
)
の
手匣
(
てばこ
)
で、深さも相応にあり、
蓋
(
ふた
)
は
中高
(
なかだか
)
になっていて柔かい円みがついている。蓋の表面には、少し低めにして、おもいきり大きい
銀泥
(
ぎんでい
)
の月が出してある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
牛の様子をじっと見ていながらただ
頃合
(
ころあい
)
を計るように睨んでいるだけでした。
熊
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
本来は
築地
(
つきじ
)
辺一番便利と存じ最初より
註文
(
ちゅうもん
)
致置候処いまだに
頃合
(
ころあい
)
の家見当り申さぬ由あまり
長延
(
ながびき
)
候ては折角の興も覚めがちになる
恐
(
おそれ
)
も有之候
間
(
あいだ
)
御意見拝聴の上右
浅草
(
あさくさ
)
か赤坂かの
中
(
うち
)
いづれにか
取極
(
とりき
)
めたき考へに御座候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その上に山に入り旅に出れば、必ずそこに
頃合
(
ころあい
)
の御寺があるというわけでもなかった。旅僧の生活をしようと思えば、少しは学問なり
智慧
(
ちえ
)
なりがなければならなかった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして、いよいよ確実にそうと決ったら、
頃合
(
ころあい
)
を見はからって三木に話してやろうと思った。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頃合
(
ころあい
)
はよかった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“頃”で始まる語句
頃
頃日
頃刻
頃者
頃之
頃来
頃日来
頃中
頃年
頃流行