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間夫
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まぶ
ふりがな文庫
“
間夫
(
まぶ
)” の例文
穏当
(
おとなしく
)
なって
姪子
(
めいっこ
)
を売るのではない養女だか
妾
(
めかけ
)
だか知らぬが百両で縁を
切
(
きっ
)
で
呉
(
く
)
れろという人に
遣
(
や
)
る
計
(
ばかり
)
の事、それをお
辰
(
たつ
)
が
間夫
(
まぶ
)
でもあるか
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
米吉は坊士禿から成人して色子になり、お染の薄墨太夫に拾われて、その
間夫
(
まぶ
)
になったのさ。商売女のいか物喰いだよ。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
だけれども
間夫
(
まぶ
)
が有るなら添わして遣ると、何うも由良之助見ていな事をおっしゃったが、その帰りに
與市兵衞
(
よいちべえ
)
見ていに殺されるていのは何うも分んねえ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その後、いつのまにやら張三は、こッそり、ここへ一人
通
(
がよ
)
いをしはじめていた。つまり客ならぬ妾宅の
間夫
(
まぶ
)
——。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手切話しに、
家
(
うち
)
を分けて、
間夫
(
まぶ
)
をたてひく三度の勤めに、消え際がまた栄えた、おなじ屋号の御神燈を掛けたのが、すなわちこの露地で、稲葉屋の
前
(
ぜん
)
がそれである。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「そうざます、花魁衆の
間夫
(
まぶ
)
にしては、思いのほかにりちぎらしいかたざました」
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
間夫
(
まぶ
)
」、「結び文」、「床へさし込む
朧
(
おぼ
)
ろ月」、「
櫺子
(
れんじ
)
」、「胸づくし」、「
鶏
(
とり
)
の
啼
(
な
)
くまで」、「
手管
(
てくだ
)
」、「
口舌
(
くぜつ
)
」、「
宵
(
よい
)
の客」、「傾城の誠」、「
抓
(
つね
)
る」、「廊下をすべる
上草履
(
うわぞうり
)
」
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
もっとも、旦那に隠れて
間夫
(
まぶ
)
にあうには、この方が都合がよい便利もあった。
明治開化 安吾捕物:05 その四 ああ無情
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
悪足
(
わるあし
)
間夫
(
まぶ
)
の輩は傘風呂敷を借りて返さざるの徒に等し。唯困ったものなり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
次第
(
しだい
)
に
重
(
かさなり
)
て
両側
(
りやうかは
)
の家の
間
(
あひだ
)
に雪の
堤
(
つゝみ
)
を
築
(
きづき
)
たるが
如
(
ごと
)
し。こゝに於て
所々
(
ところ/\
)
に雪の
洞
(
ほら
)
をひらき、
庇
(
ひさし
)
より庇に
通
(
かよ
)
ふ、これを
里言
(
さとことば
)
に
胎内潜
(
たいないくゞり
)
といふ、又
間夫
(
まぶ
)
ともいふ。
間夫
(
まぶ
)
とは
金掘
(
かねほり
)
の
方言
(
ことば
)
なるを
借
(
かり
)
て
用
(
もち
)
ふる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
米吉は坊主
禿
(
かむろ
)
から成人して
色子
(
いろこ
)
になりお染の薄墨太夫に拾はれて、その
間夫
(
まぶ
)
になつたのさ。商賣女のいか物喰ひだよ。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其奴
(
そいつ
)
の
間夫
(
まぶ
)
だか、田楽だか、
頤髯
(
あごひげ
)
の
凄
(
すさ
)
まじい赤ら顔の五十男が、時々長火鉢の前に
大胡坐
(
おおあぐら
)
で、右の叔母さんと
対向
(
さしむかい
)
になると、茶棚
傍
(
わき
)
の柱の下に、櫛巻の姉さんが、
棒縞
(
ぼうじま
)
のおさすり着もの
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
間夫
(
まぶ
)
が有るなら添わして遣りたいてえ七段目の浄瑠璃じゃアねえが、美代ちゃんに然う云ったらどんなに悦ぶか知れやアしませんよ、旦那のことだから
往渡
(
ゆきわた
)
り宜く
家
(
うち
)
へ往って然う云ったら
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、奴隷、
間夫
(
まぶ
)
という関係は、私が三十七の年まで、戦争で金龍が旦那と疎開するまで、つゞき、そして金龍は旦那と結婚して田舎へ落ちついて、もとより私のことなどは、忘れてしまった。
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ここでおめえさんを殺すくらいなら、なアに、人間一生、どうころんだって五分と五分、お粂の
間夫
(
まぶ
)
で暮らしているのも悪かあねえから、あっしだって、知って知らない振りをして見ていまさあね。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやな男への屈従からは
忽
(
たちま
)
ち
間夫
(
まぶ
)
という秘密の快楽を覚えた。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
玉屋小三郎
抱
(
かかえ
)
の遊女薄墨の後身であり、その
間夫
(
まぶ
)
だった大井久我之助の手許には、薄墨の書いた
起請
(
きしょう
)
が十三通、外にとろけそうな文句を綴った
日文
(
ひぶみ
)
が三百幾十本となり、このまま諦めるにしては
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あやつ、馬関で、お蔦ちゅう
芸妓
(
げいしゃ
)
の、
間夫
(
まぶ
)
じゃった男でなか」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“間夫”で始まる語句
間夫狂