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道伴
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みちづれ
ふりがな文庫
“
道伴
(
みちづれ
)” の例文
自分はどうせ捨てる身だけれども、一人で捨てるより
道伴
(
みちづれ
)
があって
欲
(
ほし
)
い。一人で
零落
(
おちぶ
)
れるのは二人で零落れるのよりも淋しいもんだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どんな人間との
合乗
(
あひのり
)
でもたかが三四十分の辛抱だから、
介意
(
かまは
)
ないが、それでも感じのいゝ、
道伴
(
みちづれ
)
であつて呉れゝばいゝと思つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
勇美子には
再従兄
(
またいとこ
)
に当る、紳士島野氏の
道伴
(
みちづれ
)
で、護謨靴と歩を揃えながら、何たる事!
藁草履
(
わらぞうり
)
の擦切れたので、
埃
(
ほこり
)
をはたはた。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よい
道伴
(
みちづれ
)
が見付かつて、お里が向柳原の八五郎の叔母さんの家から、遠い/\九州への旅に上つたのは、五月も半ば過ぎになつてからのことでした。
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある時、この男が紀州の道成寺に
詣
(
まゐ
)
つた事があつた。その折拍子を踏み/\石段を数へてゐたが、ふと
立停
(
たちどま
)
つて、不思議さうな顔をして
道伴
(
みちづれ
)
に言つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
その傍には
道伴
(
みちづれ
)
になって来た主婦の妹と云う
壮
(
わか
)
い女と、さっきの小間使のような
婢
(
じょちゅう
)
が立っていた。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あの
追放人
(
おひはらはれ
)
の
無頼漢
(
ならずもの
)
が
住
(
す
)
んでゐるマンチュアに
使
(
つかひ
)
を
送
(
おく
)
り、さる
男
(
をとこ
)
に
言
(
い
)
ひ
含
(
ふく
)
めて
尋常
(
よのつね
)
ならぬ
飮物
(
のみもの
)
を
彼奴
(
あいつ
)
めに
飮
(
の
)
ませませう、すれば
即
(
やが
)
てチッバルトが
冥途
(
めいど
)
の
道伴
(
みちづれ
)
。さうなれば
其方
(
そなた
)
の
心
(
こゝろ
)
も
慰
(
なぐさ
)
まう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
この連中と
道伴
(
みちづれ
)
になって登り一里、
降
(
くだ
)
り二里を足の続く限り雲に吹かれて来たら、雨になった。時計がないんで
何時
(
なんじ
)
だか分らない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
苟
(
かりそめ
)
の旅の
道伴
(
みちづれ
)
でありながら、その死床に侍して、介抱をしたり、遺言を聞いてやると云ふことは、何と云ふ不思議な機縁であらうと、信一郎は思つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
翌
(
あく
)
る日、お駒は
溜
(
たま
)
った給料を受取った上、
外
(
ほか
)
に手当百両を貰い、平次とガラッ八に送られて、故郷の越後へ
発
(
た
)
ちました。確かな
道伴
(
みちづれ
)
を見付けて、板橋から別れる時
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「真理」や「道徳」は、今日まで長い間気の弱い男や、醜い女と
道伴
(
みちづれ
)
となつたので
懲々
(
こり/″\
)
してゐる。近頃は強い男と、美しい女と一緒でなければ滅多に尻を揚げようとはしない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
村の女はよい
道伴
(
みちづれ
)
ができたと思ったので、急いで追ついて話しかけ、「此処は眼も鼻もないものが出ると云いますから、こわくてこわくて困っておりました、どうかいっしょに往ってくだされ」
鷲
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
苟
(
かりそめ
)
の旅の
道伴
(
みちづれ
)
でありながら、その死床に侍して、介抱をしたり、遺言を聞いてやると云うことは、何と云う不思議な機縁であろうと、信一郎は思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
山路で、
黒闇
(
くらやみ
)
で、人っ子一人通らなくって、
御負
(
おまけ
)
に蝙蝠なんぞと
道伴
(
みちづれ
)
になって、いとど物騒な虚に乗じて、長蔵さんが事ありげに声を
揚
(
あ
)
げたんである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出勤刻限
(
しゆつきんこくげん
)
の
電車
(
でんしや
)
の
道伴
(
みちづれ
)
程
(
ほど
)
殺風景
(
さつぷうけい
)
なものはない。
革
(
かは
)
にぶら
下
(
さ
)
がるにしても、
天鵞絨
(
びろうど
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けるにしても、
人間的
(
にんげんてき
)
な
優
(
やさ
)
しい
心持
(
こゝろもち
)
の
起
(
おこ
)
つた
試
(
ためし
)
は
未
(
いま
)
だ
甞
(
かつ
)
てない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうせ、旅行中のことだから、どんな人間との合乗でもたかが三四十分の辛抱だから、
介意
(
かまわ
)
ないが、それでも感じのいゝ、
道伴
(
みちづれ
)
であって
呉
(
く
)
れゝばいゝと思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その上母や親類のものから京都で買物を頼まれたのを、新しい
道伴
(
みちづれ
)
ができたためつい大阪まで乗り越して、いまだに手を着けない金が余っていたのである。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たゞ乗り合はした一個の旅の
道伴
(
みちづれ
)
として、遺言も何も、聴かなかつたことにしようかしら。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
出勤刻限の電車の
道伴
(
みちづれ
)
ほど殺風景なものはない。
革
(
かわ
)
にぶら下がるにしても、
天鵞絨
(
びろうど
)
に腰を掛けるにしても、人間的な
優
(
やさ
)
しい心持の起った
試
(
ためし
)
はいまだかつてない。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たゞ乗り合わした一個の旅の
道伴
(
みちづれ
)
として、遺言も何も、聴かなかったことにしようかしら。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
したがって橋本は実に順良な
道伴
(
みちづれ
)
を得た訳で、同時に余は結構な御供を雇った事になる。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
道伴
(
みちづれ
)
になったお
爺
(
じい
)
さんに、もう少しで蜜柑をやっちまうところでしたよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
健三は兄の
道伴
(
みちづれ
)
になるには余りに未来の希望を多く持ち過ぎた。そのくせ現在の彼もかなりに
淋
(
さむ
)
しいものに違なかった。その現在から順に推した未来の、当然淋しかるべき事も彼にはよく解っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
伴
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“道伴”で始まる語句
道伴侶