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豁然
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くわつぜん
ふりがな文庫
“
豁然
(
くわつぜん
)” の例文
その内には目のさめたやうに
豁然
(
くわつぜん
)
と悟入も出来るものであります。古来禅宗の坊さんは「
啐啄
(
そつたく
)
の機」とか言ふことを言ひます。
文芸鑑賞講座
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次は
豁然
(
くわつぜん
)
としました。一切の不可能を取拂つた後に殘るものは、それが一應不可能に見えても、可能でなければなりません。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
言
(
い
)
ふまでも
無
(
な
)
く、
其
(
そ
)
の
面影
(
おもかげ
)
、
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
は、
古城
(
こじやう
)
の
天守
(
てんしゆ
)
の
囚
(
とりこ
)
と
成
(
な
)
つた、
最惜
(
いとをし
)
い
妻
(
つま
)
を
其
(
そ
)
のまゝ、と
豁然
(
くわつぜん
)
として
悟
(
さと
)
ると
同時
(
どうじ
)
に、
腕
(
うで
)
には
斧
(
をの
)
を
取
(
と
)
る
力
(
ちから
)
が
籠
(
こも
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
虱
(
しらみ
)
を
捫
(
ひね
)
る事一万疋に及びし時
酒屋
(
さかや
)
の
厮童
(
こぞう
)
が「キンライ」
節
(
ふし
)
を聞いて
豁然
(
くわつぜん
)
大悟
(
たいご
)
し、茲に
椽大
(
えんだい
)
の
椎実筆
(
しひのみふで
)
を
揮
(
ふるつ
)
て
洽
(
あまね
)
く
衆生
(
しゆじやう
)
の
為
(
ため
)
に
為
(
ゐ
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
経
(
きやう
)
を
説解
(
せつかい
)
せんとす。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
人間を嘲罵する彼の心絃には触れざりしを、この際に於て
豁然
(
くわつぜん
)
悟発して、人間に至真の存するあるを
暁
(
さと
)
らしめたり。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
しかし
豁然
(
くわつぜん
)
とした救はれたやうな心の状態を得るのが常である。その時と今とは同じではない。
赤蛙
(新字旧仮名)
/
島木健作
(著)
樟の大木が
掩
(
おほ
)
ひかぶさつて落葉の散つてある所を出拔けると
豁然
(
くわつぜん
)
として來る。兩方が溪谷で一條の林道は馬の背を行く樣なものだ。兩側には樅の木の板がならべて干してある。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
屋敷の内外、特に人肌地藏のあたりを何遍も/\
嗅
(
か
)
ぎ廻して、やゝたそがれる頃、漸く
豁然
(
くわつぜん
)
とした顏になつて、
矢鱈
(
やたら
)
に
欠伸
(
あくび
)
ばかりして居るガラツ八を顧みました。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何故
(
なぜ
)
なら、かみ
手
(
て
)
は、
然
(
さ
)
うして
山
(
やま
)
が
迫
(
せま
)
つて、
流
(
ながれ
)
も
青
(
あを
)
く
暗
(
くら
)
いのに、
橋
(
はし
)
を
境
(
さかひ
)
に
下流
(
かりう
)
の
一方
(
いつぱう
)
は、
忽
(
たちま
)
ち
豁然
(
くわつぜん
)
として
磧
(
かはら
)
が
展
(
ひら
)
けて、
巖
(
いは
)
も
石
(
いし
)
も
獲
(
え
)
ものの
如
(
ごと
)
くバツと
飛
(
と
)
ばして
凄
(
すご
)
いばかりに
廣
(
ひろ
)
く
成
(
な
)
る。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“豁然”の意味
《名詞》
視界が急に開けること。
迷いや疑念が急激に消えるさま。
(出典:Wiktionary)
豁
漢検1級
部首:⾕
17画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“豁然”で始まる語句
豁然大悟
豁然智度