衆人みんな)” の例文
茂「お前は俄かに怜悧りこうに成ったの、年がかなくって頑是がんぜが無くっても、己が馬鹿気て見えるよ、ハアー衆人みんなに笑われるも無理は無い」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで衆人みんな心持こゝろもちは、せめてでなりと志村しむらだい一として、岡本をかもと鼻柱はなばしらくだいてやれといふつもりであつた。自分じぶんはよくこの消息せうそくかいしてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
土地ところでこそ左程でもないが、隣村へでも行つたら、屹度衆人みんなが叔父の前へ来て頭を下げるだらう。巡査だつてうに違ひない。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
衆人みんなの前で牛を呑んで見せたり、観世縒で人間や牛馬を作って、それを生かして耕作させたり、一丈の晒布さらしに身を変じて、大名屋敷へ忍び込んだり、上杉謙信の寝所へ忍び
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
而も其結果は恒常いつも、判で捺した様に、唯一の「死」。其死の形式は、斬殺、刺殺、銃殺はむしろお情けの方で、時には鬱憤晴し、時には衆人みんなへの見せしめに、圧殺、撲殺、一寸試しや焚殺も行われる。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
煤払すすはらいの時、衆人みんなの前でつらの皮をいておやりよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そこで衆人みんなの心持は、せめて画でなりと志村を第一として、岡本の鼻柱をくだいてやれというつもりであった。自分はよくこの消息を解していた。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
源助さんは村中での面白い人として、衆人みんなに調法がられたものである。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
權「衆人みんなが然う云います、へえかゝあは誠に器量がいって」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
騒ぎくたぶれて衆人みんな散々ちりぢりに我家へと帰り去り、僕は一人桂のうちに立寄った。黙って二階へ上がってみると、正作は「テーブル」に向かい椅子いすに腰をかけて、一心になって何か読んでいる。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
源助さんは村中での面白い人として、衆人みんなに調法がられたものである。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして心中しんちゆうひそかに不平ふへいでならぬのは志村しむらかならずしも出來できないときでも校長かうちやうをはじめ衆人みんながこれを激賞げきしやうし、自分じぶんたしかに上出來じやうできであつても、さまでめてのないことである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして心中ひそかに不平でならぬのは志村の画必ずしもく出来ていない時でも校長をはじめ衆人みんながこれを激賞し、自分の画は確かに上出来であっても、さまでめてくれ手のないことである。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この一人の末子は梅子という六七むつななつの頃から珍らしい容貌佳きりょうよしで、年頃になれば非常の美人になるだろうと衆人みんなからうわさされていた娘であるが、果してその通りで、年の行くごと益々ますます美しく成る
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
礼ちゃんが新橋の勧工場かんこうばで大きな人形を強請ねだって困らしたの、電車の中に泥酔者よっぱらいが居て衆人みんなを苦しめたの、真蔵に向て細君が、所天あなたは寒むがり坊だから大徳で上等飛切とびきりの舶来のシャツを買って来たの
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)