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藻屑
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もくづ
其後の
一週間も
空しく
※去つたならば、
櫻木大佐も
終には
覺悟を
定めて、
稀世の
海底戰鬪艇と
共に、
海の
藻屑と
消えてしまう
事であらう。
續いて
一人の
美少年、
何處より
落ちたりけん、
華嚴の
瀧の
底を
拔けて、
巖の
缺と
藻屑とともに、
雲より
落ちつと
覺しきが、
助けを
呼ぶか
諸手を
上げて、
眞俯向けに
流れ
來しが、あはよく
巖に
住まりて
寄辺なみかかる
渚にうち寄せて海人も尋ねぬ
藻屑とぞ見し
印度洋の
藻屑と
消えてしまつたと
斷念した
時には、
實に
泣くより
辛かつたです。
『もう
何事も
爲さりますな。
妾も、
日出雄も、
此儘海の
藻屑と
消えても、
决して
未練に
助からうとは
思ひませぬ。』と
白※薇のたとへば
雨に
惱めるが
如く、しみ/″\と
愛兒の
顏を
眺めつゝ