藻屑もくづ)” の例文
其後そのご一週間いつしゆうかんむなしく※去すぎさつたならば、櫻木大佐さくらぎたいさつひには覺悟かくごさだめて、稀世きせい海底戰鬪艇かいていせんとうていともに、うみ藻屑もくづえてしまうことであらう。
つゞいて一人ひとり美少年びせうねん何處いづこよりちたりけん、華嚴けごんたきそこけて、いはかけら藻屑もくづとともに、くもよりちつとおぼしきが、たすけをぶか諸手もろてげて、眞俯向まうつむけにながしが、あはよくいはとゞまりて
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寄辺よるべなみかかるなぎさにうち寄せて海人も尋ねぬ藻屑もくづとぞ見し
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
藻屑もくづがくれにひるがへる
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
毛利高松藻屑もくづにぞなる
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海の藻屑もくづとかはりけり
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
印度洋インドやう藻屑もくづえてしまつたと斷念だんねんしたときには、じつくよりつらかつたです。
『もう何事なにごとさりますな。わたくしも、日出雄ひでをも、此儘このまゝうみ藻屑もくづえても、けつして未練みれんたすからうとはおもひませぬ。』と白※薇はくさうびのたとへばあめなやめるがごとく、しみ/″\と愛兒あいじかほながめつゝ