花畑はなばたけ)” の例文
花畑はなばたけへでもいてると、綺麗きれい蝶々てふ/\は、おびて、とまつたんです、ひと不思議ふしぎなのは、立像りつざうきざんだのが、ひざやはらかにすつとすはる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
竹童ちくどうはヒラリと身をかえして、また以前いぜんのお花畑はなばたけから陣馬じんばはらけぬけて、愛鷲あいしゅうクロをっておく深林しんりんのくぼへ走りこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうは、あちらの花畑はなばたけへとんでいきました。あかはなあおはなや、しろい、いいにおいのするはながたくさんいていました。
花とあかり (新字新仮名) / 小川未明(著)
それはもっともっと縮んで、たんぽぽとれんげ草の花畑はなばたけとなり、もっともっと縮んで飛行機から見下ろした武蔵野の風景となり、それから南と北に分れて太平洋と日本海が藍色あいいろに見えだした。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
楕円の、菱の花畑はなばたけ
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
咲耶子は口にくわえた呼子笛を、力いッぱい、ピピピピピッ……と吹きたてながら、陣馬じんばはらのお花畑はなばたけへ走りだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おじさんのかみは、いつもきれいでした。そして、花畑はなばたけでもとおってきたように、着物きものは、いいにおいがしました。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめれたあさである。修善寺しゆぜんじ温泉宿をんせんやど、——くわん家族かぞく一婦人いちふじんと、家内かない桂川かつらがは一本橋いつぽんばしむかうの花畑はなばたけ連立つれだつて、次手ついで同家どうけひかへ別莊べつさう——あきである——をせてもらつた、とつてはなした。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それに釣りこまれて、一座は花畑はなばたけのように笑いころげた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのようすを見て、咲耶子はぜひなく、一方の槍ぶすまをつきぬいて、お花畑はなばたけ疾走しっそうした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花畑はなばたけわたつてからだが、はし渡返わたりかへしてくわんそとまはりを𢌞まはつてく。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)