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能々
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よくよく
ふりがな文庫
“
能々
(
よくよく
)” の例文
さてまた正しきは人の持前とは申せども、人は至ってさときものゆえ、正しからぬ事に感ずるもまた
速
(
すみや
)
かなり。
能々
(
よくよく
)
心得べきことならずや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
此所に
能々
(
よくよく
)
眼を御そゝぎ被
レ
成、不
レ
行と御見とめ被
レ
成候時は、
義
(
ママ
)
論中ニ於て何か証とすべき事を御認被
レ
成
手紙:111 慶応三年十月十日頃 後藤象二郎あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
それもこれも知つてゐながら、
阿父
(
おとつ
)
さんを踏付にしたやうな
行
(
おこなひ
)
を為るのは、
阿母
(
おつか
)
さん
能々
(
よくよく
)
の事だと思つて下さい。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お吉
其儘
(
そのまま
)
あるべきにあらねば雇い
婆
(
ばば
)
には
銭
(
かね
)
やって
暇
(
ひま
)
取らせ、色々
片付
(
かたづく
)
るとて
持仏棚
(
じぶつだな
)
の奥に一つの
包物
(
つつみもの
)
あるを、不思議と開き見れば様々の
貨幣
(
かね
)
合せて百円足らず、是はと驚きて
能々
(
よくよく
)
見るに
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
能々
(
よくよく
)
観ると、岩面よりも岩の上に高坐した蛙の方が留まりやすき故、蠅が留まりに行って啖われるので、これらも大抵野猪と同じく、蠅の飛ぶ道筋が定まりおり、その道筋に当る所々に
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
一 総じて、飲食の事、
能々
(
よくよく
)
つゝしむべき也。もし
病
(
や
)
まば一朝の戦陣に恥あり。もし命を落さば、忠孝二道にそむく。世々までのものわらひ、家門の名折れ、合戦の場において功なきにも劣る。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
濃州に立越え稲葉伊予守に所縁あるを以て暫時かくまはれて居たりしかば、信長の
軍立
(
いくさだて
)
を
能々
(
よくよく
)
見知りてありけるが、
今度
(
このたび
)
織田徳川矛盾に及ぶと、浅井を
見続
(
みつ
)
がずば
弥
(
いよいよ
)
不忠不義の名を
蒙
(
こうむ
)
るべしとおもひ
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
能々
(
よくよく
)
御勘弁にて小田村、久坂なんどへもこの文を見せ、仏法信仰はよい事じゃが、仏法にまよわぬように心学本なりと折々御見候えかし。心学本に
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この竜宮城を
指
(
さ
)
してぞ近づきける、事の
体
(
てい
)
を
能々
(
よくよく
)
見るに、二行に
点
(
とぼ
)
せる焼松は、皆
己
(
おのれ
)
が左右の手に点したりと見えたり、あはれこれは、
百足蛇
(
むかで
)
の化けたるよと心得て、
矢比
(
やごろ
)
近くなりければ
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
言出しますのは
能々
(
よくよく
)
の事でございますから、それに対するだけの理由を
有仰
(
おつしや
)
つて、どうぞ十分に私が得心の参るやうにお話し下さいましな、私座興でこんな事を申したのではございませんから
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
交際上手でエンゲージに
詫付
(
かこつけ
)
華族の若様のゴールの指輪一日に
五六位
(
いつつむつくらい
)
取る程の者望むような世界なれば、
汝
(
なんじ
)
珠運
(
しゅうん
)
能々
(
よくよく
)
用心して人に
欺
(
あざむ
)
かれぬ
様
(
よう
)
すべしと師匠教訓されしを、何の悪口なと
冷笑
(
あざわらい
)
しが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
能々
(
よくよく
)
此分別
之
(
これ
)
あるべし……
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
然
(
しか
)
れば己が生れたる家は先祖の大切なる事は生れ落つるときより
弁
(
わきま
)
え知るべけれど、ややもすれば行きたる家は先祖の大切なるに思い付かぬ事もあらん。
能々
(
よくよく
)
心得べし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
青臭いどころか、お前、
天狗巌
(
てんぐいわ
)
だ、七不思議だと云ふ者が有る、
可恐
(
おそろし
)
い山の中に違無いぢやないか。そこへ
彷徨
(
のそのそ
)
、
閑
(
ひま
)
さうな
貌
(
かほ
)
をして
唯一箇
(
たつたひとり
)
で
遣
(
や
)
つて来るなんぞは、
能々
(
よくよく
)
の
間抜
(
まぬけ
)
と思はなけりやならんよ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一方の指揮となれば其任
愈
(
いよいよ
)
重く、必死に勤めけるが
仕合
(
しあわせ
)
に
弾丸
(
たま
)
をも受けず皆々
凱陣
(
がいじん
)
の暁、
其方
(
そのほう
)
器量学問見所あり、
何某
(
なにがし
)
大使に従って外国に行き何々の制度
能々
(
よくよく
)
取調べ帰朝せば重く
挙
(
あげ
)
用
(
もちい
)
らるべしとの事
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
能
常用漢字
小5
部首:⾁
10画
々
3画
“能”で始まる語句
能
能登
能力
能書
能代
能事
能弁
能美
能勢
能面