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素志
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そし
ふりがな文庫
“
素志
(
そし
)” の例文
尊氏へたいして、一歩前進を見せ、親房は亡くも、決して
素志
(
そし
)
を
喪
(
うしな
)
う南朝でないことを、つよく示されたものといえる。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
予はここに於て終に十年来の
素志
(
そし
)
を達する能わずして、下山の
止
(
や
)
むべからざるに至りたれば、
腑甲斐
(
ふがい
)
なくも一行に
扶
(
たす
)
けられて、吹雪の中を下山せり
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
若い清純な先生の気もちには、村のこういう淫らな雰囲気は耐えられないところであったが、これを機会に
素志
(
そし
)
である音楽修業に出たい、と思いたったのであった。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
その端緒とは他に非ず、即ち今回日清争端を開かば、この挙に乗じ、平常の
素志
(
そし
)
を果さん心意なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
かりにその上書建白をして御採用の栄を得せしめ、今一歩を進めて本人も
御抜擢
(
ごばってき
)
の命を拝することあらん。
而
(
しこう
)
してその
素志
(
そし
)
果して行われたるか、案に相違の失望なるべし。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
ば爲可き者と早も見て取り知たれば我思ふよし云々と
吉宗
(
よしむね
)
ぬしに
言上
(
ごんじやう
)
せしに君又
英敏
(
えいびん
)
明才
(
めいさい
)
にていよ/\
政治
(
せいぢ
)
を
改良
(
かいりやう
)
して
公方
(
くばう
)
の職を
萬世
(
ばんせい
)
不朽
(
ふきう
)
に傳へんといふ
素志
(
そし
)
なれば今大岡の言るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
巌谷
(
いはや
)
の
紹介
(
せうかい
)
で入社したのが
江見水蔭
(
えみすゐいん
)
です、
此
(
この
)
人は
杉浦氏
(
すぎうらし
)
の
称好塾
(
せうこうじゆく
)
に
於
(
お
)
ける
巌谷
(
いはや
)
の
莫逆
(
ばくぎやく
)
で、
其
(
そ
)
の
素志
(
そし
)
と
云
(
い
)
ふのが、
万巻
(
ばんくわん
)
の書を読まずんば、
須
(
すべから
)
く
千里
(
せんり
)
の道を
行
(
ゆ
)
くべしと、
常
(
つね
)
に
好
(
この
)
んで
山川
(
さんせん
)
を
跋渉
(
ばつせふ
)
し
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
弁
(
べん
)
ジ其名実ヲ
覈
(
ただ
)
シ集メテ以テ之ヲ大成シ此ニ日本植物誌ヲ作ルヲ
素志
(
そし
)
トナシ我身命ヲ
賭
(
と
)
シテ其成功ヲ見ント欲ス
嚢
(
さき
)
ニハ其宿望遂ニ抑フ可カラズ僅カニ一介書生ノ身ヲ以テ敢テ此大業ニ当リ自ラ
貲
(
し
)
ヲ
擲
(
なげう
)
ツテ先ヅ其図篇ヲ発刊シ其事漸ク
緒
(
ちょ
)
ニ
就
(
つき
)
シト
雖
(
いえど
)
モ後
幾
(
いくば
)
クモナク悲運ニ遭遇シテ其
梓行
(
しこう
)
ヲ停止シ此ニ再ビ好機来復ノ日ヲ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
御身
(
おんみ
)
が
素志
(
そし
)
たる忠君愛国の実を挙げ給え、
仮令
(
たとい
)
刑期は一年半たりとも減刑の恩典なきにしもあらねば一日も早く出獄すべき方法を講じ、父母の
膝下
(
しっか
)
にありて孝を尽せかしなど
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
旅籠料
(
はたごりょう
)
にも窮していたとき、彼女がみどりの黒髪を切って金に換え、その急場を切りぬけて、
良人
(
おっと
)
の
素志
(
そし
)
を励ましたことなどは——彼女自身はおくびにも語ったことはないが
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここには、かつて自分が旗上げの日に
籠
(
こ
)
めた
願文
(
がんもん
)
がおさめられてある。——一には世のために、二には朝家のため、三にはわが源家再興のため——と
素志
(
そし
)
を天にちかった願文だった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
志
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“素”で始まる語句
素人
素
素直
素性
素振
素気
素朴
素足
素姓
素破