“御抜擢”の読み方と例文
読み方割合
ごばってき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その甲州へは、りに選って、斎藤下野という者を遣ってある。藩中人も多いのに、あの下野を遣わされるなどは、老臣方の眼鑑めがねでは決してない。お館の御抜擢ごばってきだ。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かりにその上書建白をして御採用の栄を得せしめ、今一歩を進めて本人も御抜擢ごばってきの命を拝することあらん。しこうしてその素志そし果して行われたるか、案に相違の失望なるべし。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「重大な御命ぎょめい、私ごときを、格別な御抜擢ごばってきかと、畏れながら存じあげます。粉骨砕身ふんこつさいしん、ただ秀吉の駑才どさい精根しょうこんを傾けてこれにあたり、以て、おこたえ申しあげるしかございませぬ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)