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窶
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やつれ
ふりがな文庫
“
窶
(
やつれ
)” の例文
「
施主
(
せしゆ
)
、へい、
施主
(
せしゆ
)
と
申
(
まを
)
しますと……」と
何
(
なに
)
かまぶしさうな
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
うして、
薄
(
うす
)
い
眉毛
(
まゆげ
)
を
俯向
(
うつむ
)
けた、
窶
(
やつれ
)
た
親父
(
おやぢ
)
が
手拭
(
てぬぐひ
)
で
額
(
ひたひ
)
を
拭
(
ふ
)
く。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『あなたとお
別
(
わか
)
れしてから、いろいろ
苦労
(
くろう
)
をしましたので、
自然
(
しぜん
)
窶
(
やつれ
)
が
出
(
で
)
たのでございましょう。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
通り掛るに道の
傍
(
かた
)
はらに親子と見ゆるが休み居たり傳吉は何心なく彼女親を見るといと
窶
(
やつれ
)
たる
形
(
かたち
)
なれども先年家出せし叔母お早に似たりと思ひしゆゑに
立戻
(
たちもど
)
り段々樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
更
(
あらた
)
めて顔を見る目も、法師は我ながら遥々と海を
視
(
なが
)
める思いがした。旅の
窶
(
やつれ
)
が何となく、袖を圧して、その
単衣
(
ひとえ
)
の
縞柄
(
しまがら
)
にも
顕
(
あらわ
)
れていたのであった。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遁
(
のが
)
れん爲吉三郎が
拵
(
こしら
)
へ事にて候如何に菊吉三郎と
密通
(
みつつう
)
致
(
いたし
)
候
覺
(
おぼ
)
えなきならば
其通
(
そのとほ
)
り早く申上よと
急立
(
せきたち
)
けるにお菊は生れしより
始
(
はじ
)
めて
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ呼出され大勢の中にて吉三郎が
縛
(
いまし
)
められ
窶
(
やつれ
)
たるを見て涙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
寝衣
(
ねまき
)
に着換えさしたのであろう、その上衣と
短胴服
(
チョッキ
)
、などを一かかえに、少し
衣紋
(
えもん
)
の乱れた
咽喉
(
のど
)
のあたりへ
押
(
おッ
)
つけて、胸に
抱
(
いだ
)
いて、時の
間
(
ま
)
に
窶
(
やつれ
)
の見える
頤
(
おとがい
)
を深く、
俯向
(
うつむ
)
いた
姿
(
なり
)
で
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、
優柔
(
おとな
)
しく頬被りを取った顔を、と見ると迷惑どころかい、目鼻立ちのきりりとした、
細面
(
ほそおもて
)
の、
瞼
(
まぶた
)
に
窶
(
やつれ
)
は見えるけれども、目の清らかな、眉の濃い、二十八九の
人品
(
ひとがら
)
な
兄哥
(
あにい
)
である。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
遣
(
や
)
りそうな、
串戯
(
じょうだん
)
ものの
好々爺
(
こうこうや
)
の風がある。が、歯が抜けたらしく、
豊
(
ゆたか
)
な肉の頬のあたりにげっそりと
窶
(
やつれ
)
の見えるのが、
判官
(
ほうがん
)
に
生命
(
いのち
)
を捧げた、苦労のほどが
偲
(
しの
)
ばれて、何となく涙ぐまるる。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窶
漢検1級
部首:⽳
16画
“窶”を含む語句
面窶
見窶
貧窶
窶々
旅窶
島窶
深窶
白粉窶
窶然
老窶
酒窶