トップ
>
磔柱
>
はりつけばしら
ふりがな文庫
“
磔柱
(
はりつけばしら
)” の例文
おきん母子、刑場の中へ歩み入る。舞台半回り、刑場の内部が見える。
磔柱
(
はりつけばしら
)
が矢来に立てかけられている。五人の囚人、甚兵衛を
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お前は主人殺しの罪を引受けて、
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背負うつもりだろう。が、そいつはつまらない料簡だ。お前のした事はよくない事だ。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
磔柱
(
はりつけばしら
)
は周囲の
竹矢来
(
たけやらい
)
の上に、
一際
(
ひときわ
)
高く十字を描いていた。彼は天を仰ぎながら、何度も高々と祈祷を唱えて、恐れげもなく
非人
(
ひにん
)
の
槍
(
やり
)
を受けた。
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
磔柱
(
はりつけばしら
)
の罪人が引廻しの
状
(
さま
)
をさせて頂き、
路傍
(
みちばた
)
ながら
隠場所
(
かくればしょ
)
の、この山崩れの
窪溜
(
くぼたまり
)
へ参りまして、お
難有
(
ありがた
)
い
責折檻
(
せめせっかん
)
、
苛責
(
かしゃく
)
を頂いた儀でござります。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その中央の浪打際に近く十本の
磔柱
(
はりつけばしら
)
を
樹
(
た
)
て、異人五人、和人五人を架け
聯
(
つら
)
ねたり。異人は皆黒服、和人は皆
白無垢
(
しろむく
)
なり。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
同時にその灯りの中から、ありありと浮び上がって見えたのは、正しく
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背に負った珠数屋の大尽のお仕置姿でした。しかも、最期は今近づいているのです。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
九月十八日には鳶田で
塩詰
(
しほづめ
)
にした屍首を
磔柱
(
はりつけばしら
)
、獄門台に
懸
(
か
)
けた。江戸で
願人坊主
(
ぐわんにんばうず
)
になつて死んだ西村
丈
(
だけ
)
は、浅草遍照院に
葬
(
はうむ
)
つた死骸が腐つてゐたので、墓を
毀
(
こぼ
)
たれた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
三、四人が
磔柱
(
はりつけばしら
)
を蹴倒した。
憤怒
(
ふんど
)
、地だんだ、いうまでもない。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
磔柱
(
はりつけばしら
)
がなんの
威
(
おどし
)
になるものか。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
お前は主人殺しの罪を引受けて、
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背負ふつもりだらう。が、そいつはつまらない量見だ。お前のした事はよくない事だ。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
向うづけに屋根裏高き
磔柱
(
はりつけばしら
)
に
縛
(
いまし
)
められて、
乳
(
ち
)
の下
発
(
ひら
)
きて
衆
(
ひと
)
の前に、槍をもて貫かるるを。これに甘んずる者ありとせむか、その
婦人
(
おんな
)
いかなるべき。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
た
)
の十九人は、自殺した平八郎、渡辺、瀬田、近藤、深尾、宮脇、病死した西村、人に殺された格之助、小泉を除き、
彼
(
かの
)
江戸へ廻された大井迄
悉
(
こと/″\
)
く牢死したので、
磔柱
(
はりつけばしら
)
には
塩詰
(
しほづめ
)
の死骸を懸けた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「然らば、その間、
磔柱
(
はりつけばしら
)
に
縛
(
くく
)
りおくぞ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「明日は札の辻でエロニモ師やガルベスフランセスコ師や、ヨハネ原主水様や、シモン遠藤様と一緒に
磔柱
(
はりつけばしら
)
にかけられて、
火焙
(
ひあぶ
)
りにされるそうですよ」
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
中にも目に着いたのは、一面の壁の隅に、
朦朧
(
もうろう
)
と灰色の
磔柱
(
はりつけばしら
)
が
露
(
あら
)
われて、アノ胸を
突反
(
つきそ
)
らして、胴を橋に、両手を開いて
釣下
(
つりさが
)
ったのは、よくある
基督
(
キリスト
)
の
体
(
てい
)
だ。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折角表向だけでも轉んで(改宗)平穩な生活をしてゐる切支丹宗徒達、それをほじくり出して、
磔柱
(
はりつけばしら
)
に載つけるのは、錢形平次の忍ぶところではなかつたのです。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我が手で、鉄砲でうった女の死骸を、雪を
掻
(
か
)
いて膚におぶった、そ、その心持というものは、
紅蓮
(
ぐれん
)
大紅蓮の
土壇
(
どたん
)
とも、八寒地獄の
磔柱
(
はりつけばしら
)
とも、
譬
(
たと
)
えように口も利けぬ。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「こんなむごたらしい事をする野郎は、
磔柱
(
はりつけばしら
)
を五、六本背負わせなきゃ、腹の虫が納まらねえ。畜生ッ」
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何となく
荒野
(
あれの
)
の中の
磔柱
(
はりつけばしら
)
ででもあるやうに思つた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
せっかく表向きだけでも転んで(改宗)平穏な生活をしている切支丹宗徒たち、それをほじくり出して、
磔柱
(
はりつけばしら
)
に載っけるのは、銭形平次の忍ぶところではなかったのです。
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
六尺棒で押し
隔
(
へだ
)
てられて、竹矢來の外につまみ出されると、改めて
囚人
(
めしうど
)
小三郎を馬からおろし、役人がもう一度罪状を讀み聽かせた上、目隱しをして
磔柱
(
はりつけばしら
)
に掛けるのです。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今下の船にゐる兄哥に
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背負はせて、その
餓鬼
(
がき
)
を
脅
(
おど
)
かしたり、鈴ヶ森から
梟首
(
さらしくび
)
を持つて來て、窓の外へ掛けたのは、皆んな俺達の深い怨みを思ひ知らせるためだつたよ——。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今下の舟にいる兄哥に、
磔柱
(
はりつけばしら
)
を
背負
(
しょ
)
わせて、その
餓鬼
(
がき
)
を脅かしたり、鈴ヶ森から
梟首
(
さらしくび
)
を持って来て、窓の外へ掛けたのは、みんな俺達の深い怨みを思い知らせるためだったよ——。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
人形町から八丁堀まで驅け通し、お屋敷の玄關へ着くと氣がゆるんでブツ倒れてしまひましたが、まだ門のあたりに
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背負つた血だらけな奴が居やしませんか、そつと
覗
(
のぞ
)
いて見て下さい
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今に
磔柱
(
はりつけばしら
)
を背負はされる野郎だ、好きなやうに暴れさせるが宜い」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今に
磔柱
(
はりつけばしら
)
を
背負
(
しょわ
)
される野郎だ、好きなように暴れさせるがいい」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
磔柱
(
はりつけばしら
)
を
脊負
(
しよ
)
つた、血だらけな男で——」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
磔柱
(
はりつけばしら
)
を
背負
(
しょ
)
った、血だらけな男で——」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
磔
漢検1級
部首:⽯
16画
柱
常用漢字
小3
部首:⽊
9画
“磔柱”で始まる語句
磔柱形